冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・6(金曜劇場)
2020.01.17

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・6



ナレ「毒モンスターやギラ使いの『まじゅつし』を倒しながら、サンペタへやって来たの
だった」
勇者「まずは、セーブだな。王様は……いるはずないか」
王子「とにかく情報集しましょう。セーブの仕方も判るでしょう」
勇者「おい、犬!セーブ場所はどこだ?」
王子「犬が、知るわけないでしょ。そもそも喋らないし」
勇者「だがよ、後ろにくっついて、一緒に着いてくるぜ」
王子「懐いてますね」
勇者「お!町の隅っこに誰か佇んでいるぞ。こういう奴に限って、重要なヒントをくれる
はずだ」
兵士「じ、じぶんがはずかしい!私はあまりのおそろしさに、城から逃げ出したのです。
今頃、サンブルグの城は……。ああ、王女さまっ」
勇者「なんだ、脱走兵か」
王子「それを言っちゃ可哀相ですよ。だれだって逃げ出しているんですから」
勇者「おい、そこの女」
女 「まあ、あなたはもしや勇者さまではっ!?私はむかしルーラシア城におつかえしていた者です。こんな所で勇者さまにお会いできるなんて。ああ、夢のようですわ!」
勇者「おおそうか。じゃあ、セックスしようぜ」
女 「まあ、あなたはもしや……以下略」
勇者「つまらんな……所詮NPCキャラか、ふん!」
王子「決まり文句ですからね」
勇者「宿屋にいる奴、何か情報持ってるかな。おい、そこの男」
男 「まったくぶっそうな世の中になったもんですなあ。この前もサマートリアの近くでスリにあいましてね。幸い犯人は見つかりましたが。まあ、今頃は牢屋の中でしょうね。わっはっは。」
勇者「ふむ、そういえば、地下牢にいたな。『ろうやの鍵』欲しがってるやつ」
王子「だめですよ。悪人の言うこと聞いちゃ」
勇者「聞くだけなら。大丈夫だろ?」
王子「そうですかね……何かありそうですが」
勇者「お、壁と壁の隙間に縮こまっているじじいは?」
王子「立ちションしているのでは……」
勇者「まさか、大の方じゃないだろな。銀魂の近藤ゴリ子がやってたしな……。よし、また話しかけてみよ
う。リアクションが面白そうだ」
王子「面白がらないでくださいよ」
勇者「いいから。おい、そこのじじい」
翁 「なんと ここでも そなたの旅を 冒険の書に記録することが できるのじゃ。便
利な世の中になったものよのう。勇者が次のレベル……そなたの これまでの旅を 冒険
の書に記録してよいな?」
勇者「おお!もちろんだとも」
翁 「たしかに 書きとめておいたぞ!まだ休まずに冒険を続けるつもりかっ?」
勇者「いいえ、と答えたらどうなる?」
翁 「では ゆっくり休むがよい。勇者よ!そなたが もどるのを待っておるぞ」
ナレ「そしておなじみの音楽と共に、タイトルメニューに戻るのであった」
勇者「冒険を再開して、冒険の書をポチッとな。お!始まったぞ」
王子「何やってるんですか。冒険を中断してどうするんですか?」
勇者「悪い、悪い。ちょっとためしにやってみたかったんだ」

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あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-10
2020.01.16

あっと! ヴィーナス!!第二部


第一章 part-10

「呼んだか?」
 突如として、天駆ける戦車にヴィーナスが姿を現した。
「危ない!」
 重量が偏るように増えたので、戦車が揺れて落ちそうになる。
 ディアナが天馬の手綱を操作して、体勢を立て直した。
「危ないじゃないか、ヴィーナス」
「わたしを呼んだだろう?」
「呼んでねえよ」
「いや、確かにわたしの名を呼ぶ声が聞こえたぞ」
「相変わらず地獄耳だな。おまえは」
「神なのに地獄耳とはこれいかに、だな」
「確かに呼んではいないが、名前が挙がったのは確かだ」
「酔っ払って寝込んでたんじゃないのかよ」
「人の口に戸は立てられない、っていう諺があるだろう。たとえ眠っていても耳に入れば
目が覚める」
 呆れ返る弘美とディアナ。
「来てしまったのは仕方が無い。邪魔だけはするなよ」
「判っている。もちろん事情はすべて理解している」
「ならいい」
 改めて、ラピュタに向けて帆を上げる一行だった。
「天空城な。解説が間違えるなよ」
 あ、すいません……天空城です。
「どっちも同じだろうが」
 天駆ける戦車は、天空城に向けて一直線に進む。
「ところで、弘美」
「なんだよ」
「女の子らしくしろと、いつも言っているだろう。なんだ、その男の言葉は」
「地の言葉で悪いか」
「悪いわい。その女の子の格好で、喋る言葉じゃない」
「女の子?」
 改めて自分の姿を見る弘美。
 学校帰りの女子校生の制服姿だった。
 学校から直接ファミレスに向かい、着替えてウエイトレスの仕事をして、終了後に再び
制服に着替えて、家に帰る途中に誘拐事件に遭遇したのだった。
 大慌てでヴィーナスの元に駆けつけたものの泥酔状態、困ったところにディアナが登場
して、その格好のまま追撃戦に参加していたのである。
「その可愛い女子校生の制服姿が似合う君なら、やはり可愛い声で優しく喋るのが本筋と
いうものだろう」
「勝手に女の子に変えておいて、よく言うよ。俺は男なんだぜ」
「違うぞ!」
 と、鼻同士がくっつくぐらいに顔を近づけて警告するヴィーナス。
「そもそも、君は女の子として生まれるはずだったんだ。運命管理局のちょっとした手違
いで男の子になってしまったのだ」
「そこは違うな。こいつの酒癖が原因だよ。プロローグを読めば判る」
 ヴィーナスを指差しながらディアナが横槍を入れる。
「こほん!」
 咳払いをして話を続けるヴィーナス。
「と、とにかく。弘美、あなたは女の子として生きるしかないのです。あなたが一人前の
女の子として生まれ変わるためなら、このヴィーナス全精力を賭けるぞ」
「ことわる!」
 拒絶する弘美。
 これまで男として生きてきたのだ、神の手違いだとしても、今更として女の子にはなれ
ないであろう。
 ことあるごとに男に戻せと言うしかない弘美だった。
「さてと……だ」
 ディアナが話題を変えるように話し出した。
「アポロの前に出ても、その男の子言葉でいる気かな?」
「アポロ?」

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あっと!ヴィーナス!!第二部 第一章 part-9
2020.01.15

あっと! ヴィーナス!!第二部


第一章 part-9

 やがてファミレスから二人の後を追うように黒服が出てくる。
「あ、あいつだ」
 飛び出そうとするのを、止めるディアナ。
「なぜ止める!」
「言っているだろ。すでに起きてしまった過去に干渉するなと」
「だからって黙って見ているのかよ」
「そうだ。おまえが出て行けば、おまえが二人になるってことだ。これが判るか?」
「う……」
 図星をつかれて、しどろもどろになる弘美。
 そうこうするうちに、黒服が愛をさらって行く。
「よし、いいだろ」
 というと、手のひらを上向きにして何やら呟くと、その上に小さな天使が現れた。
「あの、黒服が抱えている女の子を追いなさい」
「はあい」
 かわいい声で返事をすると、ぱたぱたと羽ばたいて黒服を追い始めた。
「エンジェルに尾行させるのか?」
「ああ。あの子は、黒服には見えないからな」
「なるほど」
 やがて黒服も小さな天使も空の彼方に消え去った。
「で、これからどうするんだ?」
「なあに大丈夫さ。これがある」
 と、スマートフォンを取り出した。
「スマホか?どこに隠し持ってたんだよ」
「秘密のポケットがあるのさ」
「ドラ〇モンかよ」
「これで天使と連絡を取れる」
「神でも電話するのか?」
「神を馬鹿にするなよ。天上界にはパソコンもインターネット環境も揃っているぞ」
「なんだよ、それ。エンジェルもスマホ持ってるのか?」
「彼女とは探偵バッチで通話できるぞ」
「少年探偵コナンかよ」
「ついでに天使の位置情報を表示することができるぞ、ほら」
 と見せ付けるスマホの画面には、赤い点滅が表示され動いていた。
「眼鏡レーダーじゃないんだな」
「そこまではパクレないわよ」
 スマホ画面を見つめる弘美とディアナ。
 と、突然スマホから音声が、
「あーあー。本日は晴天なり、本日は晴天なり」
 聞こえた。
「なんだ?近くにハム無線局でもあるのか?」
「彼女からの通信だよ」
「あ、そう」
「感度良好だよ。何かあったか?」
 スマホに話しかけると、答えが返ってくる。
「今、黒服が大きな雲の塊の中に入っていきます」
「追えるか?」
「任せてください」
 通信が途絶えた。
「大きな雲の塊ねえ……」
 と空を仰ぐ弘美。
 すでに黒服と天使の姿は見えない。
 真っ青な空に雲一つ見えない快晴。
 なのだが、場違いとも思える巨大な雲塊がゆっくりと流れていた。
「入道雲じゃないな。どうやら、あの雲みたいだ」
 ディアナの言葉を受けて、
「もしかしたらラピュタか?中に城があってさ」
 弘美が推測する。
「うむ、そうかもな。アポロの居城があるのかも知れない」
 意外にも同調するディアナ。
「どうやって、空の上の雲に行く?」
「大丈夫さ。これがある」
 と突然姿を現したのは、ディアナの愛機。
天駆けるあまかける戦車だよ」
 古代ギリシャで使われていた、馬が戦車を引くアレだが、ソレは空を飛べる天馬が繋いであった。
「ソレで近づいたら、アポロに気づかれないか?」
「なあに、アポロは女以外は興味がないし、全知全能のゼウスの息子だ。たかが一般職の神相手には目もくれないさ」
「一般職ってなんだよ」
「知らないのか?」
「知るかよ」
「アポロから見れば、わたしはただの時間管理局の局長だし、ヴィーナスは運命管理局の局長だ」
「なるほど。ゼウスが国王とするならば、アポロは大臣で、ヴィーナス達は各省の政務次官というところか」
「そうなるな」

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