銀河戦記/鳴動編 第二部 第五章 アル・サフリエニ II
2020.02.01

第五章 アル・サフリエニ




「そんなことよりもさあ。帝国艦隊全軍を掌握したんなら、あたし達に援軍を差し向けら
れるようになったことでしょう?」
「そうだよ。援軍どころか帝国艦隊全軍でもって連邦を追い出して共和国を取り戻せるじ
ゃないか」
「しかしよ。共和国を取り戻せても、帝国の属国とか統治領とかにされるんじゃないの
か? 何せ帝国皇帝になるってお方だからな」
「馬鹿なこと言わないでよ。属国にしようと考えるような提督なら解放戦線なんか組織し
ないわよ。アル・サフリエニのシャイニング基地を首都とする独立国家を起こしていたと
思うのよ。周辺を侵略して国の領土を広げていたんじゃないかしら」
「アル・サフリエニ共和国かよ」
 会話は尽きなかった。
 アル・サフリエニ共和国。
 乗員達が冗談めいて話したこのことが、やがて実現することになるとは、誰も予想しな
かったであろう。
 フランク・ガードナー提督にとって、アレックスは実の弟のように可愛がってきたし、
信頼できる唯一無二の親友でもある。解放戦線を組織してタルシエン要塞のすべてを委任
して、自らは援助・協定を結ぶために帝国へと渡った。そして偶然にして、行方不明だっ
た王子だと判明したのである。
 権力を手に入れたとき、人は変わるという。虫も殺せなかった善人が、保身のために他
人をないがしろにし、果ては殺戮までをもいとわない極悪非道に走ることもよくあること
である。
「変わってほしくないものだな」
 椅子に深々と腰を沈め、物思いにふけるフランク。
 その時、通信士が救援要請の入電を報じた。
「カルバニア共和国から救援要請です」
 またか……という表情を見せるフランク。
 アレックスが帝国皇太子だったという報が入ってからというもの、周辺国家からの救援
要請の数が一段と増えてしまった。解放戦線には銀河帝国というバックボーンが控えてい
るという早合点がそうさせていた。しかし、アレックスが帝国艦隊を掌握しようとも、総
督軍が守りを固めている共和国を通り越して、アル・サフリエニに艦隊を進めることは不
可能なのだ。
 帝国艦隊が総督軍を打ち破るまでは、現有勢力だけで戦わなければならない。たとえ周
辺諸国を救援したとしても、防衛陣は広範囲となり、補給路の確保すらできない状況に陥
ってしまう。
「悪いが、これ以上の救援要請は受け入れられない。救援要請は今後すべて丁重に断りた
まえ」
「ですが、すでにオニール提督がウィンディーネ艦隊を率いて現地へと出動されました」
「なんだと! 勝手な……」
 頭を抱えるフランクだった。
 当初の予定の作戦では、タルシエン要塞を拠点として、カラカス、クリーグ、シャイニ
ング基地の三地点を防衛陣として、篭城戦を主体として戦うはずだった。
 その間に、アレックスが帝国との救援要請と協定を結んで、反攻作戦を開始する。それ
まではじっと耐え忍ぶはずだった。
冗談ドラゴンクエストII 冒険の書・8(金曜劇場)
2020.01.31

冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・8


ナレ「サンペタに戻り、宿屋で体力を回復し、忘れずに町外れの翁にセーブしてもらった
二人は、人懐こい犬の頭をなでなでしてから、ラーの鏡探しに出かけるのだった」
勇者「ラーの鏡か……どこにある?」
王子「魂の一人が、『サンブルグの東の地、4つの橋が見えるところに 小さな沼地があ
るという。そこにラーのかがみが……』と言ってました」
勇者「そうだな、行ってみるか。マンドリル3匹に出会わないように祈りながらな。今の
俺たちのレベルと装備じゃ、一撃で15Pとか一気にHP削られるからたまらんよ」
王子「祈ります」
ナレ「王子の祈りが功を奏したのか、たいした強敵に遭遇することなく、魂が指摘した沼
地にたどり着いた」
王子「見てください、沼の一角が光ってますよ」
勇者「うまい具合に、上向きになって太陽光を反射しているようだ。ゲームクリエイター
の作為が感じられる。スマホ版だからか……」
王子「何言ってるんですか」
勇者「気にするな。いいから、おまえ取ってこい」
王子「わたしがですか?ここ、毒沼ですよ」
勇者「大丈夫だ。おまえが死んでも荷物持ちとして使えるから」
王子「荷物持ち?どこかで聞いたような話ですね」
勇者「うむ……慎重勇者なんたらかんたらか?」
王子「勇者さんが取ってきてくださいよ。たとえ死んでもセーブポイントまで自動的に運
ばれる上に、無料でHP全快で復活してもらえるんだから」
勇者「何を言っておるか、持ち金の半分をふんだくられるんだぞ。もち全滅だから結局お
まえの復活費用も払わなきゃならん」
王子「でも、経験値はそのままじゃないですか」
勇者「いいから、取ってこい!」
ナレ「王子をひょいと背負ったかと思うと、光っているところまで投げ飛ばした」
王子「ちょっと、ひどいじゃないですか!」
勇者「いいから、すぐ手元にあるから拾え」
王子「え?ああ、これですね」
ナレ「王子は、ラーのかがみを手に入れた」
勇者「よし、サンペタに戻るぞ。HPもMPもきびしいからキメラの翼使おう」
王子「いいですね」
勇者「昔は、キメラの翼使っても、最後に立ち寄ったセーブの所しか戻れなかったのに、
今ではどこへでも行ける。随分進歩したものだ」
王子「まあ、ガラケーからスマホに進化したのと同じですよ」
ナレ「空を飛んでサンペタに戻ってきた二人」
勇者「さて、犬は……と、いた!」
王子「はやく呪いを解いてあげましょう」
勇者「おい、犬。今解いてやるからな」
犬 「くん、くん」
ナレ「犬がパーティーに加わった」
勇者「あ、おい!」
王子「だめですよ。呪いを解くまで話しかけちゃ」
勇者「あはは。失敗、失敗」
王子「一旦、町の外へ出ましょう。外へは付いてこれないですから」
勇者「よし、一旦外へ出て……で、また入ると、犬は……おお、いるいる」
王子「話しかけちゃだめですよ」
勇者「こら!じっとしてろよ」
犬 「くん、くん」
ナレ「犬がパーティーに加わった」
王子「何やってるんですか!」
勇者「だってよ。向き合った状態でないと、ラーの鏡使えねえんだよ。動き回るから、つ
い話し掛けたくなるじゃないか」
ナレ「再び町から出て、また町に入りなおす」
王子「今度は、自分がやってみます。勇者さんは押えておいてください」
勇者「わかった……」
ナレ「王子は、ラーのかがみをのぞきこんだ。なんと鏡は美しい王女の姿をうつしだした
っ!鏡がくだけちり 姫にかけられた呪いがとける!」
王女「ああ もとの姿にもどれるなんて……。もうずっと あのままかと思いましたわ。
私はサンブルグ王の娘です。もうごぞんじかと思いますが、サンブルグ城はハーゴンの軍
団におそわれ……私は呪いで 犬の姿に変えられて ここに飛ばされたのです。今頃サン
ブルグ城は……。ああ 今は考えないことにしましょう。私もあなたがたの仲間にしてく
ださいませ。ともに戦いましょう!」
王子「よろしくお願いします」
勇者「よろしくな」
ナレ「こうしてサンブルグの王女を交えた、あらたなパーティーの冒険がはじまったので
あった」
勇者「そうだ!町外れの脱走兵にも報告しておくか」
兵士「ま、まさか、王女様!?ご無事でしたかっ!わ、私は…王様や城の者たちを置き
去りにして……私はなんという情けない兵士なのでしょう!もう姫様に顔向けできませ
ぬ…」
王女「いいのよ、顔を上げて。誰もあなたを責めることはできないわ」
兵士「ひ、姫様……うっうっうっ…」
勇者「おお、おお。感動の再会か」
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あっと!ヴィーナス!!第二部 第二章 part-8
2020.01.30

あっと! ヴィーナス!!第二部


第二章 part-8

 アポロの居城。
 すでに玉座についているアポロ。
 その両脇には、弘美と愛が眠らされて椅子に座っている。
「さて、一応話を聞いてやろうか」
 神子に酒を注がせながら余裕綽々ヨユウシャクシャクの態度で応対する。
「おまえが拉致するのを命じられたのは、弘美だけだろう。なぜ愛も連れ去る?」
「ああ、黒服が間違えたのは謝るよ。その黒服は、ほれ、そこの石像になっている」
 アポロが指差した先には、確かに黒服そっくりの顔つきをした石像が置かれていた。
「間違いを犯したと言うだけで、石像にするのか?」
 ヴィーナスが追求する。
「心配するな。ほんの一時のことだ」
「神暦時間でだろ。人間の時間にして何百年だ?」
「人間の時間に直してどうなる。ここは天上界だ」
「長年、人間の運命管理していたから、人間時間が身についてしまったわ」
「なるほど……。ともかく一旦わたしの元に来た者は、何があろうともわたしのものだ」
「だがな、弘美はともかく愛は無関係だろ。ヘラ様はともかく、ゼウス様に知れれば懲戒
ものだぞ。解放してやれよ」
 ディアナが忠告する。
「ゼウス様か……」
 ふふんと鼻を鳴らすような態度で、
「そもそもファイルーZなどという可愛い女の子リストを作成するゼウス様に、わたしの
ことを責めるには及ぶまい」
 と、相手にもしない雰囲気だ。
「ふぁああ!よく寝た……」
 大きな欠伸と共に弘美が目覚めた。
「あれ?ここはどこだ?」
 キョロキョロと辺りを見回す。
「弘美!」
「ヴィーナスじゃないか!ディアナもいるな」
 まだ、現状を把握していない様子だった。
「ところで、隣のこいつは誰だ?」
 アポロを指差して訊ねる。
 が返答する前に、
「あれ?そのまた隣にいるのは、愛ちゃんじゃないか!」
 椅子を立ち上がり、アポロの前を横切って、愛のところに駆け寄る。
「愛ちゃん!大丈夫?」
 声を掛けるが返事は無い。
 まだ眠っているのか?
「これは、どういうことだよ?」
 ヴィーナスに向かって問いただす。
「それは、そこにいる人物に聞くんだな」
 とアポロを指差すヴィーナス。
 向き直り、
「おい、おまえは誰だ!?」
 と訊ねる。

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