銀河戦記/鳴動編 第二部 第四章 皇位継承の証 I
2019.08.24


第四章 皇位継承の証(あかし)/土曜劇場


                 I

 首都星アルデランのアルタミラ宮殿。
 謁見の間に居並ぶ大臣・将軍達の表情は一様に重苦しい。
 マーガレット第二皇女が、摂政であるエリザベス第一皇女の裁定を受けていた。
「マーガレットよ。我が帝国の治安を乱し、テロなどの破壊行為なども誘発したことは
悪しき重罪である。事の次第は皇室議会において処遇を決定することになる。追って裁
定が下るまで、自室にて謹慎を命じる」
 うやうやしく頭を下げて処分を承諾するマーガレット皇女。
 そしてくるりと翻り姿勢を正して自室へと向かい始め、その後を侍女が従った。警備
兵が二人その後ろから付いてくるが、連行するというようなことはしない。皇女として
の誇りに委ねられた一幕であった。
 マーガレットが退室し、続いてアレックスに対する労いの言葉が、エリザベスより発
せられた。
「今回の任務。よくぞ無事にマーガレットを連れてこられた。感謝の言葉もないくらい
である。その功績を讃えて、中将待遇で銀河帝国特別客員提督の地位を与え、この謁見
の間における列席を許し、貴下の二千隻の艦船に対して、帝国内での自由行動を認め
る」
 ほうっ。
 という感嘆の声が、将軍達の間から沸き起こった。

 貴賓室。
 謁見を終えたアレックスが、応接セットに腰掛けてパトリシアと会談している。
 アレックスがマーガレット保護作戦に出撃している間、パトリシアはこの部屋に留め
置かれていた。
 いわゆる人質というやつで、大臣達からの要望であったと言われる。それでも世話係
として侍女が二人付けられたのは皇女の計らいらしい。
「艦隊の帝国内自由行動が認められたので、スザンナ達には軍事ステーションから、最
寄の惑星タランでの半舷休息を与えることにした」
「休暇と言っても先立つものが必要でしょう?」
「ははは、それなら心配はいらない。帝国軍から一人ひとりに【おこづかい】が支給さ
れたよ。内乱を鎮圧した感謝の気持ちらしいが……。本来なら彼らが成すべき事だった
からな」
「至れり尽くせりですね」
「しかし、これからが正念場だ。帝国側との交渉の席がやっと設置されたというところ
だな。まだまだ先は遠いよ」
「そうですね」
 事態は好転したとはいえ、解放戦線との協定に結び付けるには、多くの障害を乗り越
えなければならない。特に問題なのは、あの頭の固い大臣達である。あれほど保守的に
凝り固まった役人達を説得するのは、並大抵の苦労では済まないだろう。
「ジュリエッタ皇女様がお見えになりました」
 侍女が来訪者を告げた。
「お通ししてください」
 アレックスが答えると、侍女は重厚な扉を大きく開いて、ジュリエッタ第三皇女を迎
え入れた。
「宮殿の住み心地は、いかがですか?」
「はい。侍女の方も付けて頂いて、至れり尽くせりで感謝致しております。十二分に満
足しております」
「それは結構です。何か必要なものがございましたら、何なりと侍女にお申し付けくだ
さい」
「ありがとうございます」
「ところで明晩に戦勝祝賀のパーティーが開催されることが決まりました。つきまして
は提督にもぜひ参加されますよう、お誘いに参りました」
「戦勝祝賀ですか……」
「内乱が鎮圧されたことを受けて、ウェセックス公が主催されます。その功労者である
ランドール提督にもお誘いがかかったのです」
「しかし、私のような門外漢が参加してよろしいのでしょうか?」
「大丈夫です。パーティーには高級軍人も招待されておりまして、客員中将に召された
のですから、参加の資格はあります」
「そうですか……。判りました、慎んでお受けいたします」
 断る理由はなかった。


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妖奇退魔夜行/胞衣壺(えなつぼ)の怪 其の拾陸
2019.08.23


陰陽退魔士・逢坂蘭子/胞衣壺(えなつぼ)の怪(金曜劇場)


其の拾陸 追跡


 開け放たれた窓辺に寄りかかるようにして神田美咲が立っていた。
「どうやら罠に掛からなかったようだね」
「初歩的なトラップでした」
「ふむ、さすが陰陽師というわけですか」
「なぜ知っている?」
 自分が陰陽師である事は、美咲には教えていない。
「あなたの体内からあふれ出るオーラを感じますから」
「なるほど」
「で、どうなさるおつもりですか?」
「悪しき魔物は倒す!」
「そうですか……」
 ニヤリとほくそ笑むと
「ならば……逃げます」
 机の上の壺を抱え込んで窓の外へと飛び出した。
 しまった!
 という表情で、窓辺に駆け寄る蘭子。
 窓の下を覗いてみるが、すでに美咲の姿は消え失せていた。
 改めて部屋の中を観察する。
 見た目には綺麗に拭き取られているが、そこここに血液の痕跡が浮かんでいた。
 通常の警察鑑定のルミノール反応を調べれば確かな証拠が出るだろう。
 井上課長に一報を入れようかとも思ったが……。
 警察の現場検証が入れば後戻りはできない。
 魔人との決着が着いてからでもよいだろう。

「白虎、来い!」
 四聖獣であり西方の守護神でもある白虎を呼び出す。
 それに答えるように、見た目虎の姿をした大きな身体の聖獣が姿を現す。
 蘭子が幼少の頃に召喚に成功し、以来ずっと蘭子を見守っている。
「魔物を追ってちょうだい」
 といいながら、その背中に乗る。
 追跡するのに犬ではなく、猫科の虎なのか?
 匂いで追跡するのではなく、白虎の神通力を使って、魔物が持つ精神波を探知するの
である。
 白虎の背に乗った蘭子が、闇に暮れた街中を疾走する。
「この先は?」
 白虎が突き進む先には、例の旧民家解体現場があった。
「そうか……そこへ向かっているのね」
 人生に行き詰った時、人は故郷を目指すという。
 いや、犯人はいずれ犯行現場に戻るもの、というべきだろうか。


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冗談ドラゴンクエスト 冒険の書 47
2019.08.22


冗談ドラゴンクエスト


冒険の書 47


勇者「罠とは小癪なことを、脱獄名人・縄抜け名人の俺にかかれば朝飯前じゃ……あれ
れ?」
ナレ1「抜け出そうとするが、身動きできない」
ナタリー「残念ね。その網には呪縛の魔法が掛けてあるのよ」
勇者「ち、ちくしょう……」
ナタリー「さてと、そこどいね」
ナレ1「と言うと、魔法を使って勇者を網ごと部屋の片隅に移動させた」
勇者「ここから出せ~!」
ナタリー「無駄よ。魔法を解かない限り抜けられないわよ」
勇者「この借りは、必ず払ってもらうからなあ」
ナタリー「静かにしてよね、眠れないじゃない。さてと、おやすみなさい」
ナレ1「なんやかんやで、夜が明ける」
コンラッド「おはようございます」
リリア「いい天気ですよ」
ナタリー「おっは~!」
宿屋「おはようございます。皆さん、ぐっすり眠れたでしょうか?」
勇者「一睡もできなかったぞ(怒)」
宿屋「あらまあ!いかがなされましたか?」
勇者「こいつが(ナタリーを指さして)」
ナタリー「(勇者の口を塞いで)ああ、こいつの言うことは気にしないでいいですよ」
勇者「ぐぐぐぐ~(口を塞がれて声が出せない)」
コンラッド「私は、一度王宮に伺わなければならないので、出発の準備をしておいてく
ださい」
宿屋「食事をされてからでいいのでは?」
コンラッド「いえ、一秒でもお待たせするわけにはいきませんから」
ナレ1「王宮謁見の間。国王の前で傅くコンラッド」
国王「おお、朝からご苦労であった」
コンラッド「陛下におかれましては、ご健勝のほどお慶び申し上げます」
国王「コンラッドも忙しい身であろう。早速だが、これを遣わす」
ナレ1「侍従から書状を受け取ってコンラッドの前に差し出す」
ナレ2「数歩前に進み、傅きながらうやうやしく受け取るコンラッド」
国王「大神官様への紹介状である。有用に使うが良い」
コンラッド「ははっ!重々承知にございます」
ナレ1「コンラッドが宿屋に戻ると、一行の出発準備は整っていた」
リリア「お帰りなさい。出発準備は整ってます」
ナタリー「最初に大神官様にお会いするのよね」
リリア「大聖堂ですよね」
コンラッド「では、参りましょうか」
勇者「おお、気を付けて行けや」
ナタリー「あんたが行かなきゃ始まらないじゃない」
勇者「なんでだよ?」
ナタリー「パーティーの先頭は勇者と決まってるでしょ」
勇者「誰が決めたんだよお」
ナタリー「いいからきなさい(といつものように耳を引っ張り連れ出す)」


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