性転換薬その2.1

 性転換薬その2.1

「社長! 性転換薬ができました」
 先日、三ヶ月の息子を見目麗しき美貌の女性にしてしまった研究員が飛び込んできた。今日も、ベビーカーを押してきている。
「おいおい、まだ懲りていないのか。その子が見世物になるようなミニチュア美人になったのも、君のあさはかさと薬の利きすぎだろう」
「今度は、女性を男性に変える性転換薬なんです」
「女性から男性だと?」
「はい、その通りです」
「おい! 念のために聞いておくが、またその子を実験台に使ったんじゃないだろうな?」
「その通りです」
「おまえなあ……よくもまあ、自分の子供をそうも簡単に……」
「だって、前のままじゃ、人前にも出られず、あまりにも可愛そうです」
「で、元通りになったのか?」
「どうぞ、ご覧になりますか」
「見せてもらおうか」
 研究員は、ベビーカーで眠る赤ん坊の掛け毛布を取り去って見せてくれた。
 豊かな乳房と絶妙なボディーラインを持ったミニチュア美人ではなかった。
 どこにでも見られるようなあどけない寝顔をしたごく普通の赤ん坊だった。

 おや?

「ところで……やけにおしめが大きく膨らんでいるように見えるが……」
「あ、やっぱり気づきました?」
「気づくだろう。これだけ大きければな」
「見てみます?」
「いや、よしておこう」

 見なくても想像はつくさ……。

 たんたんタヌキ……。