冗談ドラゴンクエスト II 冒険の書・8

メニューへ ナレ「サンペタに戻り、宿屋で体力を回復し、忘れずに町外れの翁にセーブしてもらった 二人は、人懐こい犬の頭をなでなでしてから、ラーの鏡探しに出かけるのだった」 勇者「ラーの鏡か……どこにある?」 王子「魂の一人が、『サンブルグの東の地、4つの橋が見えるところに 小さな沼地があ るという。そこにラーのかがみが……』と言ってました」 勇者「そうだな、行ってみるか。マンドリル3匹に出会わないように祈りながらな。今の 俺たちのレベルと装備じゃ、一撃で15Pとか一気にHP削られるからたまらんよ」 王子「祈ります」 ナレ「王子の祈りが功を奏したのか、たいした強敵に遭遇することなく、魂が指摘した沼 地にたどり着いた」 王子「見てください、沼の一角が光ってますよ」 勇者「うまい具合に、上向きになって太陽光を反射しているようだ。ゲームクリエイター の作為が感じられる」 王子「何言ってるんですか」 勇者「気にするな。いいから、おまえ取ってこい」 王子「わたしがですか?ここ、毒沼ですよ」 勇者「大丈夫だ。おまえが死んでも荷物持ちとして使えるから」 王子「荷物持ち?どこかで聞いたような話ですね」 勇者「うむ……慎重勇者なんたらかんたらか?」 王子「勇者さんが取ってきてくださいよ。たとえ死んでもセーブポイントまで自動的に運 ばれる上に、無料でHP全快で復活してもらえるんだから」 勇者「何を言っておるか、持ち金の半分をふんだくられるんだぞ。もち全滅だから結局お まえの復活費用も払わなきゃならん」 王子「でも、経験値はそのままじゃないですか」 勇者「いいから、取ってこい!」 ナレ「王子をひょいと背負ったかと思うと、光っているところまで投げ飛ばした」 王子「ちょっと、ひどいじゃないですか!」 勇者「いいから、すぐ手元にあるから拾え」 王子「え?ああ、これですね」 ナレ「王子は、ラーのかがみを手に入れた」 勇者「よし、サンペタに戻るぞ。HPもMPもきびしいからキメラの翼使おう」 王子「いいですね」 勇者「昔は、キメラの翼使っても、最後に立ち寄ったセーブの所しか戻れなかったのに、 今ではどこへでも行ける。随分進歩したものだ」 王子「まあ、ガラケーからスマホに進化したのと同じですよ」 ナレ「空を飛んでサンペタに戻ってきた二人」 勇者「さて、犬は……と、いた!」 王子「はやく呪いを解いてあげましょう」 勇者「おい、犬。今解いてやるからな」 犬 「くん、くん」 ナレ「犬がパーティーに加わった」 勇者「あ、おい!」 王子「だめですよ。呪いを解くまで話しかけちゃ」 勇者「あはは。失敗、失敗」 王子「一旦、町の外へ出ましょう。外へは付いてこれないですから」 勇者「よし、一旦外へ出て……で、また入ると、犬は……おお、いるいる」 王子「話しかけちゃだめですよ」 勇者「こら!じっとしてろよ」 犬 「くん、くん」 ナレ「犬がパーティーに加わった」 王子「何やってるんですか!」 勇者「だってよ。向き合った状態でないと、ラーの鏡使えねえんだよ。動き回るから、つ い話し掛けたくなるじゃないか」 ナレ「再び町から出て、また町に入りなおす」 王子「今度は、自分がやってみます。勇者さんは押えておいてください」 勇者「わかった……」 ナレ「王子は、ラーのかがみをのぞきこんだ。なんと鏡は美しい王女の姿をうつしだした っ!鏡がくだけちり 姫にかけられた呪いがとける!」 王女「ああ もとの姿にもどれるなんて……。もうずっと あのままかと思いましたわ。 私はサンブルグ王の娘です。もうごぞんじかと思いますが、サンブルグ城はハーゴンの軍 団におそわれ……私は呪いで 犬の姿に変えられて ここに飛ばされたのです。今頃サン ブルグ城は……。ああ 今は考えないことにしましょう。私もあなたがたの仲間にしてく ださいませ。ともに戦いましょう!」 王子「よろしくお願いします」 勇者「よろしくな」 ナレ「こうしてサンブルグの王女を交えた、あらたなパーティーの冒険がはじまったので あった」 勇者「そうだ!町外れの脱走兵にも報告しておくか」 兵士「ま、まさか、王女様!?ご無事でしたかっ!わ、私は…王様や城の者たちを置き去 りにして……私はなんという情けない兵士なのでしょう!もう姫様に顔向けできませぬ…」 王女「いいのよ、顔を上げて。誰もあなたを責めることはできないわ」 兵士「ひ、姫様……うっうっうっ…」 勇者「おお、おお。感動の再会か」
     

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