冗談ドラゴンクエストV 冒険の書・10

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勇者、女王になる ナレ「ロマリア城に戻ってきた」 国王「おお!勇者よ!よくぞ、きんのかんむりを取りもどしてきてくれた!そなたこそ、 まことの勇者!一国の国王としてもふさわしい人物じゃ!というわけでどうじゃ?わしに かわって、この国をおさめてみる気はないか?そなたが、はいと答えるだけで、すぐにで も王位をゆずろうぞ!どうじゃ?」 勇者「いやだよ!」 国王「そうか、いやと申すか……。しかし、なにごとも経験じゃぞ。あとになって思いな おしても、わしは知らぬぞ。王になれるチャンスは今だけじゃぞ。というわけで、どうじ ゃ?わしにかわって、この国をおさめてみるきはないか?」 勇者「断固断る!!」 国王「そうか……。そなたもがんこじゃのう。しかし、がんこさではわしも負けんぞ!と いうわけで、以下略」 勇者「しつこいな、いやだ!」 国王「なんと!まだ、はいとは答えぬのかっ!じゃが、そのようにどこまでも、自分の信 念をつらぬくとは、ますます王にふさわしい人物じゃ!というわけで、以下略」 勇者「こうなりゃ、根比べだ!い・や・だ!」 国王「なんと!まだ、だめか……。そのように、ことわり続けると、わしもだんだん言う ことがなくなってくるではないか。というわけで、以下略」 勇者「だめ!」 国王「ふーむ……あい、わかった!そこまでイヤと申すのなら、わしもあきらめよう」 勇者「ふう……。やっと諦めたか」 国王「わしは、勇者にこの国をゆずりたかったのに……。まあ、しかたがあるまい」 ナレ「参考までに、この国王のところで冒険の書に記録してもらうたびに」 国王「ところで、どうじゃ?今いちど聞くが、この国の王になってみぬか?」 ナレ「と、誘われます。もし、はいと答えてしまったら……」 勇者「ちょっと待て!勝手なことをするなあ!」 国王「おお!やってくれるか!よろしい!では、これより勇者が、この城の…と、思った が、そなたよく見れば女ではないか。これはおどろきじゃ!ここ、ロマリアの歴史に女性 が王になった前例はないのだが…。 勇者「だから、これはナレーションが勝手に言ったことで……」 国王「いや、しかし女のかよわきウデでカンダタをたおしたその実力は王としてふさわし いものじゃ。よろしい!今こそ、この国はじめての女王の誕生じゃ!!」 勇者「聞いちゃいないな……」 ナレ「その後、豪華なアクセサリーの沢山ついた雅かなドレスをお召しになられ、玉座に 鎮座ましまされ、勇者さまはロマリアの女王におなりになられたのでございます」 勇者「おい、言葉使いが変わっているぞ」 ナレ「女王さまには敬語でお答えするのが当然でございます」 大臣「この国はじめての女王さまの誕生じゃ!勇者女王ばんざい!」 王妃「ごりっぱですわ、勇者さま!わたくしの夫、つまりまえの王も、よくやってはいた のですけれど…やはり、男性では気がつかない、こまやかな仕事もございますの。期待し ていますわ。勇者さま」 勇者「なんで、隣に前国王妃が、そのまま座ってるんだ?」 ナレ「どうせ空いている席でございますから」 勇者「それでいいのか?」 詩人「ロマリアは、美しい国。勇者さまのような方こそ、この国の女王に、ふさわしいの です。ラララ…ロマリアの地に立つー美しき姿よーわれらをすくわんとー神が与えし女王 よーラララ」 近衛「勇者女王さまに、けいれい!」 衛兵「話は聞いております。勇者さまはすでに、この国の女王。あまり気ままにお城を出 ぬようにおねがいいたします」 兵士「勇者女王さまにけいれい!女王さまは私の…いえ、みんなの太陽でございます」 ナレ「地下室に降りられる女王さま」 勇者「おお、宝箱がある。扉を開けてと」 ナレ「女王さまは宝箱を調べた!女王さまにひつようなものは、入っていないようだ」 勇者「ちょっと待て!女王さまに必要がないってなんだよ!?」 ナレ「それは、女王になられたからには、もはや冒険に出ることはありえないからです。 当然宝物など必要がないからでございます」 勇者「なにを!!あ、道具類も全部なくなっているじゃないか!没収されたのか?しかし 魔法の扉は開いたよな。鍵は?持ってないよな」 ナレ「ですから、女王さまには必要がございませんので……鍵はたぶん、すでにフラグが 立っているのでしょう」 勇者「フラグって何だよ?ちくしょう、こうなるんじゃないかと、王さまになるのを断っ ていたのに」 ナレ「まあまあ、せっかくですから、城内をご散策になられてはいかがでしょうか」 勇者「ふん!ああ、ここは兵士詰め所だったな」 兵A「あ〜あ、家ではカミさんのシリにしかれて、仕事でまで女王さまにつかえるとはな あ……は!これは、勇者女王さま!いえ、なんでもありません!」 兵B「勇者さまが、カンダタをこらしめた武勇伝。しかと聞いています。あなたこそ、こ の国の女王にふさわしいおかたでございます」 商人「やや、これは勇者さま!りっぱになられましたなあ。その姿はまるで、この国の女 王さまみたいですよ」 勇者「みたいじゃなくて、女王にされたんだよ!……この階段の上は東の尖塔だったな」 老人「なんと!女王さまにされたのか……。やれやれ、あいつはまだ、悪いクセがなおら んらしいのう」 ナレ「城郭通路に降りる女王さま」 勇者「まほうのカギのこの扉の中は?」 剣士「うん?まるで女王のような姿をして、お前はなに者だっ!?この私は、だまされな いぞ!へ?王位をゆずられた?こ、この国の女王に?これは、ご無礼いたしました。とこ ろで女王さま。はるか西の国ポルトガには、船というものがあるそうです。いちどでいい から、船に乗って大海を冒険したいですなあ」 勇者「ふむ、やはりこの国の西に行けということか……西の尖塔に昇るか」 囚人「へー、あんたがウワサの女王か。まさか、女が国を治めるとはな。けどよ、カンダ タを逃がしてやったんだって?これだから女はあまくてダメだよ」 勇者「なにお!おまえ、死ぬまでここに幽閉な!」 ナレ「城内の散策を終えて、城下町へとおいでになられる女王」 老人「おお!女王さまじゃ!しかも、そのように強く美しい女性だぞい!ふむ!これでこ の国も、もっとはなやかになるはずじゃ!めでたいのう」 少年「わーい、女王さまだ!きれいだなあ」 ナレ「教会に入る」 信者「女王さま、お願いでございます!はるか北の村ノアニールをお救いくださいまし! え?もう村の呪いはとけているですって?さすが女王さまですわ!」 牧師「おお!あなたさまが、この国の新しい女王でございますか。わが国ロマリアと、勇 者女王に神のごかごがありますように」 ナレ「北西の家」 老婆「まあまあ、女王さまがこんなばあさまの所に……ありがたやありがたや。ありがた いついでに女王さま。このばあさまのねがいを聞いてはくださりませぬか?」 ナレ「はい、いいえ、でお答えくださいませ」 勇者「しようがねなあ。なんだよ?」 老婆「じつは、お城の中庭の花畑を手入れする男が、最近仕事をさぼってばかりおります のじゃ。あの花畑は、先代の王妃の思い出の場所…。なのに、このままでは雑草におおわ れてしまいまする。どうか、中庭の花畑にいる男に、草むしりをするよう女王さまからい いつけてくださいまし」 勇者「そいつって……犬を探していた老人だよな。俺を美しいだのめでたいだの、ってほ めるばかりだった……。ありゃ、だめだな」 宿屋「やや、女王さま、おさんぽですか?わかります、わかります。こんないい天気だ。 お城の外に出て、草花や木をながめるほうが楽しいですよね」 宿人「まあ!わたしのような旅の者にまでお声を。かんげきですわ、女王さま!」 男 「(宿裏)げっ!女王さま!どうしてこんな所へ……。そうだ!せっかくですから、いいこと を教えましょう。なんでもノアニールの村では、みかわしのふく、を売っていたそうでご ざいますよ。もっとも女王さまには、今のお姿のほうがずっとお似合いですがね。わっ はっはっ」 少年「ところで女王さま、アリアハンの勇者は、まだ来ませんか?おかしいなあ……」 勇者「もうすでに……と言っても、この姿じゃ信じないだろうな。ん?城門か……出てみ るか」 ナレ「勇者女王が門の外に出ようとすると、すかさず門兵が立ちふさがった」 門兵「(A)女王さま、お城から出ては危険でございます。(B)女王さま、なにとぞ城 内にもどられますように」 ナレ「なんの装備もしていないうえに、女王はこの国の大切な宝。門兵が道を開けるはず もない」 勇者「くそったれ!」 ナレ「そのような下品なお言葉は、仰られませんように」 勇者「いいよもう。ルーラで逃げちゃうもんね(*^^)v」 ナレ「女王さまは、呪文をつかえない。残念でした」 勇者「なんだよ、そこまでやるのか?」 ナレ「すべては女王さまのためでございます。女王さまは、この国を治めになられるので すからね」 勇者「ふん!勝手に言ってろ。しようがねえ、散策を続けるか……」 武具「へい、いらっしゃい!あ〜びっくりした。だれかと思ったら女王さまじゃありませ んか!へい、おかげさんでこうして毎日商売させてもらってます。ありがてえこってす」 道具「新しい王さま…女王さまですよね?だったらおねがいします!税金をもっと安くし てください」 剣士「やや、これは女王さま、ごきげんうるわしゅうございます。ところで、ついさきほ ど前の王がうれしそうに地下におりていったようですが……」 勇者「そうか!?地下はモンスター闘技場だったな。ともかく会ってみよう」 案内「やや、女王さま!どうしてこんなところへ?」 店主「ここは、女王さまが来るような所ではございません。どうかおひきとりを……」 剣士「わっ、勇者女王さま!と、とにかくけいれいっ!」 女性「まあ、女王さま。どうしてこのようないかがわしい所へ……。まあっ、後学のため に?私もですのよ。おほほほほ」 商人「わかりますよ。女王さまだって、人の子だし!いけないっていわれたら、よけいに やりたくなることってありますもんね。ようガス!オレはかよわき女性のヒミツを他人に 話すようなヤボな男じゃございません。ここで女王さまを見たってことは、ナイショにし ておきましょう!わっはっはっ」 老人「ふがふが……」 男 「女王さまだ!どひゃー!」 バニー「あ〜ら、リッチなそうなお客さま。どんどんお金を使っていってね」 店主「かけごと?めっそうもねえ!オレたちは、ただ試合を見せて、楽しんでもらってる だけでさあ」 前王「わっはっはっ、わしじゃよ。前の王さまじゃ。しかし、しょみんはええのう。かけ ごとが、こんなに面白いとは思わんかったわい!そなた、がんばってこの国をおさめてく れよ」 ナレ「はい、いいえ、でお答えくださいませ」 勇者「ここで会ったが百年目!いいえに決まっているだろがあ!!」 前王「なんと、女王さまになっているのは、もういやじゃと申すのか?」 ナレ「はい、いいえ、でお答えくださいませ」 勇者「もちろんだ!」 前王「そうか……。いやなものを続けさすわけにもゆくまい。わしも、しばらくであるが 息ぬきができたしな。あいわかった!勇者よ!そなたはやはり旅を続けるがよかろう!」 ナレ「謁見の間に戻ります」 国王「ふむ……。わしは、あまり見ておらなかったが、勇者の女王ぶりはみごとだったよ うじゃの。まあ、なにごとも経験じゃ。このさきも、さまざまな出来事がそなたらをまっ ておるであろう。そなたらのさらなるかつやくを期待してるぞよ。では、ゆくがよい」 王妃「あなたのような女性がおさめる国を見てみたかったですわ。でも、しかたがありま せんわね。あなたには、やらなくてはいけないことがあるのですものね」 大臣「ここだけの話だが、じつは私も5回ほど王さまにされたことがあるのだ。そなたも また王さまをやりたくなったら、いつでもこの城に立ちよってくれよ」 勇者「だれがくるか!二度と来ねえよ!!」 詩人「また、風のささやきが聞こえたんです。あなたも聞きますか?」 勇者「聞かせろ」 詩人「シャンパーニの塔がしずかになったよ、ありがとうありがとう……」 近衛「これからの旅のご武運をおいのりしています」 ナレ「こうして仲間と再会し、再び冒険へと旅立つのであった」 勇者「ふう……肩が凝ったぜ」 ナタリー「よっ!久しぶりね」 リリア 「お待たせ!」 コンラト「ルイーダの酒場で噂は聞いていましたよ」 勇者「ああ……忘れずに地下室の宝箱、アサシンダガーとふうじんのたてを取っておいた ぜ」
     
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