難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

 やがて劇的な報告がなされる。
「クローン病」
 という診断が下されたのである。
 連日のような消化管造影検査(注腸造影) や内視鏡などによる腸内検査も、これを確定させるためのものだったのである。
 クローン病(クローンびょう、英:Crohn's disease; CD)は、主として口腔から肛門までの消化管全域に、非連続性の炎症および潰瘍を起こす原因不明の疾患である。
 本疾患における病変は消化管の粘膜から漿膜までの全層を侵し、進行すると腸管が狭くなる狭窄によって腸閉塞をきたすことや、腸管に穴のあく穿孔や瘻孔(ろうこう)、それらに膿が溜まった膿瘍ができることがある。潰瘍性大腸炎とともに炎症性腸疾患(英:w:Inflammatory bowel disease; IBD) に分類される。
 膠原病の一つで、特定疾患治療研究事業【医療費助成制度】(対象:45疾患)の一つに入っている難病であった。
 発症の原因不明、根治治療方法もない。
 治療は対症療法しかなく、生涯薬を飲まなければならないという難病である。

 その日から、点滴の方法が変わった。
 中心静脈点滴というものである。
 今までは、腕から点滴の針を刺していたのだが、鎖骨のところの静脈(鎖骨下静脈)からカテーテルを通して、心臓の近くを通る上大静脈に直接輸液を注入するという方式である。
 これは、高濃度・高カロリーの輸液を滴下できるようにするためのもので、腕からの末端静脈点滴では 血管炎を起こすからである
 血管炎を起こしやすい抗がん剤の滴下や、カテーテルを通して中心静脈の静脈圧が測れたり、体液量の増減や増減やうっ血性心不全の程度を把握するのに役立つ。
 もちろん看護師にはカテーテルを通すなどの施術を行う資格がないので、当然主治医の出番となる。
 静脈に通したカテーテルは抜けないようにしなければならないので、鈎針のようなものが三本ついていて皮膚に引っ掛けるようにして固定する。さらに上から固定テープを張って動かないようにしておく。

 クローン病の治療薬として、メサラジン(ペンタサ錠250 等)が追加された。

 ああ……。
 それにしても、鼻からの導入管から解放されて、食事が出されるかと期待したのだが、当分の間はお預けという状況になったのである。

 寂しい……。