難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

モヤモヤ病(ウイリス動脈輪閉塞症)/診断・治療指針(公費負担)

特定疾患情報認定基準

■概念
モヤモヤ病(ウイリス動脈輪閉塞症)は日本人に多発する原因不明の進行性脳血管閉塞症であり、脳血管撮影検査で両側の内頚動脈終末部に狭窄ないしは閉塞とその周囲に異常血管網を認める。発症年齢は二峰性分布を示し5歳を中心とする高い山と30〜40歳を中心とする低い山を認める。

■疫学
本邦およびアジア系民族に多い。2004年度全国調査の結果、一次調査で本症推定患者数は7492人(95%信頼区間 6056〜8928人)と推定された。二次調査では1269人のデータが得られ、男女比は1:2、年齢分布は10〜20歳代と50歳にピークがあった。家族性は12.1%に認められた。成人例、家族歴を有する例、無症候例が増加している。

■病因
多因子遺伝の関連が示唆されているが、原因不明の脳血管疾患である。

■症状
無症状(偶然発見)のものから一過性ないしは固定性の神経症状を呈するものまで症状は軽重・多岐にわたる。小児例では脳虚血症状が大半を占め、また成人例には頭蓋内出血を来たす例が多数となる。脳虚血型(TIA型、TIA頻発型、脳梗塞型)、脳出血型、てんかん・不随意運動型、頭痛型、無症候型などに分類される。

(1)小児例は大脳の虚血による神経症状を初発とするものが多く、意識障害、脱力発作(四肢麻痺、片麻痺、単麻痺)、感覚異常、不随意運動、けいれん、頭痛などが生じる。虚血発作は過呼吸(啼泣など)で誘発され、反復発作的に出現し、時には病側の左右が交代することもある。症状はその後継続して生じる場合と、停止する場合がある。悪化する症例では精神機能障害、知能低下、失語、全盲などにいたる場合があるが、成人のように出血を来たすことはまれである。

2)成人例は頭蓋内出血による脳卒中発作(多くは脳室内出血、その他くも膜下出血、脳内出血)で突然発症する例が半数近くを占め、出血部位に応じて意識障害、運動麻痺、言語障害、精神症状などを呈する。残りは小児例と同様、脳虚血発作の形で発症する。死亡例の約半数が出血例である。

(3)虚血型、出血型が大部分を占めるが最近は無症候で発見されるモヤモヤ病が増加している。(3〜16%)。無症候型においても脳卒中リスクは存在し、年間2〜3%と考えられる。

(4) 7%程度に頭痛型モヤモヤ病があり、朝方に嘔気を伴う強い頭痛を呈し、正午ごろから軽快することが多い。脳虚血との関連が示唆されている。

■治療
脳虚血、出血の急性期は血圧コントロールや脳圧亢進対策などの内科的治療を行う。脳虚血発作に対しては外科的血行再建術が有効とされ慢性期に行うことが多い。


モヤモヤ病(ウィルス動脈輪閉塞症)に関する調査研究班から
モヤモヤ病(ウィルス動脈輪閉塞症) 研究成果(pdf 26KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

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