難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

後縦靱帯骨化症/診断・治療指針(公費負担)

特定疾患情報認定基準

■概念
後縦靱帯骨化症は、脊椎椎体の後縁を連結し、脊柱のほぼ全長を縦走する後縦靱帯が骨化することにより、脊椎管狭窄をきたし、脊髄または神経根の圧迫障害を来す疾患である。頸椎に最も多いが、胸椎や腰椎にも生じる。

一方、黄色靭帯骨化症は、脊髄の後方に存在し、脊椎椎弓間を連結する黄色靭帯が骨化し、脊髄麻痺を生じる疾患であり、胸椎部に好発する。後縦靱帯骨化症患者では、前縦靱帯骨化を中心として、広汎に脊柱靭帯骨化をきたす強直性脊椎骨増殖症を約40%に合併し、また黄色靭帯骨化や棘上靭帯骨化の合併も多く、脊椎靭帯骨化の一部分症として捉える考えもある。

■疫学
40歳以上に好発し、約2対1で男性に多い。わが国では成人外来患者の頸椎疾患のなかで、後縦靭帯骨化がX線写真にて1.5〜4.9%に発見されており、平均3%である。外国における発生頻度は低値といわれているが、最近の中国漢民族の疫学調査による発生率はほぼ日本人と同等である。

■病因
多くの説があるが、現在のところ不明である。全身的骨化素因、局所の力学的要因、炎症、ホルモン異常、カルシウム代謝異常、糖尿病、遺伝、慢性外傷、椎間板脱出、全身的退行変性などがあげられている。

後縦靱帯骨化症患者の家系調査により、高率な多発家系の存在することが明白となり、本症の成因に遺伝的背景が大きな役割をなしていることは疑う余地のないところとなっている。

■症状
初発症状は項・頸部痛、上肢のしびれ、痛みで始まることが多い。進行すると下肢のしびれ、痛み、知覚鈍麻、筋力低下、上・下肢の腱反射異常、病的反射などが出現し、痙性麻痺を呈する。脊髄麻痺は四肢に対称的に出現することが多い。麻痺が高度になれば前横断脊髄麻痺となり、膀胱直腸障害も出現する。

■治療
保存的治療として、局所の安静保持をはかるために、頸椎固定装具の装着や、頸椎牽引が行われる。保存的治療で効果が得られない場合や、脊髄症状が明らかな症例には手術療法が行われる。頸椎後縦靱帯骨化症では、前方よりの前方徐圧固定術や後方よりの椎弓切除術、脊柱管拡大術が行われる。黄色靭帯骨化症では、椎弓切除術が行われる。

■予後
脊髄麻痺は多くは進行性で、転倒などの軽微な外傷で、急に麻痺の発生や憎悪をきたすことがある。長期にわたり麻痺を放置すると、全横断性脊髄麻痺となり、手術を行っても回復は得られ難い。


脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班から
後縦靭帯骨化症 研究成果(pdf 23KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

この疾患に関する関連リンク
  頚椎後縦靱帯骨化症診療ガイドライン

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