難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

パーキンソン病関連疾患(大脳皮質基底核変性症)/特定疾患情報(公費負担)

認定基準診断・治療指針

1. 大脳皮質基底核変性症とは?
パーキンソン症状(筋肉の硬さ、運動ののろさ、歩行障害など)と大脳皮質症状(手が思うように使えないなど)が同時にみられる病気です。身体の左側または右側のどちらか一方に症状が強いのが特徴で、40歳以降に発病し進行します。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
正確な数字は不明ですが、日本では人口10万人当たり2名程度のまれな病気と思われます。

3. この病気はどのような人に多いのですか
発病年齢は40歳代から80歳代にわたりますが、ピークは60歳代です。男女比はほぼ同数です。過去の病気や生活歴で発病に関係するものはありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか
患者さんの脳では前頭葉と頭頂葉に強い萎縮が認められます。顕微鏡的には脳神経細胞の細胞体がふくれており、同時に中脳の黒質細胞には神経原線維変化という異常が現れます。神経細胞を支えるグリア細胞にも変化がみられます。なぜこのような変化が起こるかは分かっていません。

5. この病気は遺伝するのですか
遺伝性はありません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
最初にパーキンソン症状として、片方の手と腕の筋肉に硬さや運動ののろさを自覚することが多いようです。同時に日常生活でその腕と手を思うように使えないこと(運動失行)も現れます。続いて同じ側の脚も重くなり歩行が不自由になります。やがて反対側の腕と脚にも運動障害が起こり、歩行時に歩幅が狭い、脚が前に出にくい、転びやすいなどの症状が現れます。ときには言葉が出にくくなること(失語症)がみられます。腕を持ち上げたり動かすときに素早い震え(ミオクローヌス)が現れる人もいますが、パーキンソン病のようにじっとしている時に手が震えること(静止時振戦)はふつうありません。

7. この病気にはどのような治療法がありますか
特効薬はありません。パーキンソン症状に対してパーキンソン病治療薬(レボドパ、ドーパミンアゴニスト、アマンタジンなど)を用い、ある程度の効果を認めることがあります。腕が著しく硬く、肘で屈曲してしまうことがありますが、これにはよい改善策がありません。手足の素早い震え(ミオクローヌス)にはクロナゼパムが有効です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか
現在の医学では進行を止める治療法はなく、ゆるやかに進行します。進行の度合は患者さんによって異なりますが、発病後寝たきりになるまでの期間は5〜10年が多いようです。動かないとそれだけ早く動けなくなるのでリハビリテーションが大切です。嚥下が悪くなるので、むせて肺炎を起こさないこと、転んで頭部打撲や骨折を起こさないことに注意します。


この疾患に関する関連リンク
パーキンソン病と関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)の療養の手引き(pdf>

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