あっと! ヴィーナス!!第二部(26)

第二章 part-4  その頃。  姿を消したエンジェルは、ディアナの特命を受けて、天空城の内部を探索していた。  ラピュタが飛行石で浮遊していたように、この天空城も何らかの機関が動いているはず だ。  その動力源の位置を確かめるためである。  さすがに神のアポロでも、この巨大な城を神通力で動かすことはできないだろう。 「あーん。広すぎて、どこにあるかわかんないよー」  ただでさえ、小さな身体である。  飛翔能力にも限界がある。 「疲れたあ……ちょっと休憩」  といいながら、小さな突起の上にちょこんと座って羽を休めた。  折りしもその真下の通路を、衛兵が会話しながら通り過ぎる。 「しかし、すごい機関だよなあ」 「ああ、超伝導磁気浮上システムなんて、誰が考えたんだろね」 「この天空城、実は人間が作った戦争のための要塞だったらしい」 「それをアポロ様が奪い取ったんだよな」  などと言いながら。  エンジェルはいいこと聞いたと思った。  人間が作ったものなら、機関を動かしたり止めたりするマニュアルがあるはずだ。  気を取り直して、再び飛び出したエンジェル。  やがて動力機関の心臓部であるコントロールルームにたどり着く。  ほとんど自動で動いているらしく、人も神子も見当たらない。  マニュアルは、当然この近くにあるはずだ。  室内を飛び回って探し回るエンジェル。 「あった!これね」  本棚に納められているマニュアルらしき本を引き出しに掛かる。  人間にとって普通の本でも、小さなエンジェルには身が重い。 「ぐぬうう。何のこれしき」  目一杯羽ばたいて、羽ばたいて、羽ばたいて。  ドスン!  と、マニュアルが床に落ちた。  うまい具合に、閲覧できように上向きで開いた状態で落ちた。 「やったあ!」  早速マニュアルに飛びつく。 「さてと、動力を止める方法は……」  人間が書いた文字や図形に困惑しながらも解読を進めてゆく。  エンジェルとて神の子だ。  人間に読めて、エンジェルに読めないものはない。  ページを捲りながら、動力停止の方法を読み解く。 「あった!これだわ」  じっくりと読んでから、制御盤に向かう。 「ええと……」  制御盤のボタンを確認して、 「ピッポッパッ、ポーン」  マニュアル通りに押してゆく。
     
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