美奈の日記 1

ボクの名前は神林美奈。
美奈なんて名前だけど、れっきとした男の子……なんだ。
なぜこんなことを言うのかには理由があるんだ。
ボクは、両親の長女として戸籍に登録されているし、女の子として育てられた。
近所の人たちもボクを女の子だと思っている。
しかし……正真正銘の男の子なんだ。
おちんちんもちゃんとついている。
なんでこういう状況になってしまったかというと、両親が女の子が欲しかったらしいからなんだ。
でも生まれたのは男の子。
あきらめきれない両親は、ボクを女の子として育てることにしたんだ。
違法と知りつつも戸籍を長女として登録までしてしまった。
だからボクは男の子ながらも社会的には女の子としての生活をすることになってしまった。
もちろん学校も、保育園から小学校と、ずっと女の子で通してきた。
だからつい最近まで、ボクは自分自身を女の子と思っていた。
でも、本当は女の子ではないんじゃないかって、疑問を持ったんだ。
それはパパが風呂上りに裸になっているところを見てから。
その両足の間にあるものがぶら下がっているのを見てしまったんだ。
ママにはなくて、パパには付いているもの。
そして、ボクにもそれが付いていたんだ。

どうして?

両親を問い詰めたよ。
そうしたらママが、泣きながら説明してくれた。
小さい頃には、ママと一緒にお風呂に入ったこともあるけど、その頃はまだ男女の違いなど知るわけもなかったから、ママとの違いを尋ねたかも知れないけど、適当にごまかされてしまっていたらしい。無理ないよね。

ボクはママが大好きだ。
ママが悲しむようなことはしたくない。
だからこのまま女の子として暮らしていくことに決めたんだ。

自分が本当は男の子だと知ってショックだったけど、今更男の子には戻れないよね。戸籍は女の子になっているし、ご近所もボクが女の子だと思っている。本当のことを言っても奇異な目で見られるようになるだけだよ。
だから今後もずっと女の子として生活することになったんだ。
そのためには、今のままの状態を変える必要があるんだ。……つまり、おちんちんを取っちゃって女の子になる手術をしなければいけないんだ。つまり性転換手術、正式には性別再判定手術っていうんだけどね。
でもただの性転換手術じゃ、男の人とベッドを共にすることはできても、子供を産むことはできない。見せかけの女の子でしかない。
そこで両親は、臓器移植を考えたんだ。
脳死状態の女の子から、子供を産むための子宮や膣とかいった臓器を貰いうけて、完全な女の子になれる臓器移植手術をしようにってね。
だからといって、ドナーがそう簡単に現れるわけがないよね。
それでも両親は、気長に待ちましょうと移植希望の申請を続けているんだ。ボクは思春期に差し掛かったばかりだから、まだまだ

それで、このまま女の子として生活していくのに、おちんちんがあることが知られると困るからと、取りあえずの形ばかりの性転換手術を受けることになったんだ。
でも日本じゃ、そう簡単には性転換手術はできないらしい。
非合法にはやっているかも知れないけど、万が一を考えればやはり性転換の先進国へ渡航して手術を受けることになっている。現在パパがいろいろな伝手を頼って信頼ある手術先を探しているところなんだ。
それが決まり次第に性転換手術を受けるんだ。

でも……。

それまでは、今のまま何とか男の子であることを隠し通しながら、女の子としての暮らしを続けるしかないんだ。

ボクの名前は神林美奈。
女の子として暮らす男の子。
ボクの青春はこれからだ!