第十一章 帝国反乱
Ⅵ  事件の発端は、皇室議会だった。  今後の方針について、議論を始めようとした時だった。  突然、武装した兵士がなだれ込んできた。 「君たちはなんだ!」  議員の一人が乱入者に向かって叫んだ。 「黙れ! これが見えないのか?」  と、サブマシンガンを構える兵士。 「な、何をするつもりだ!」  だがその答えは、マシンガン掃射であった。  シャンデリアなどの調度品が片っ端から破壊されてゆく。  議場内の人々には危害はなかったものの、問答無用という意思表示は伝わった。 「皇室議会は、本日をもって解散する。諸君らは拘禁させてもらう」  次々と連行されてゆく議員たち。  アルタミラ宮殿でも、ひと悶着が起きていた。 「これは、どうしたことですか?」  玉座に座っていた摂政エリザベス第一皇女が、居並ぶ大臣たちに叱咤していた。  ロベスピエール公爵が前に出て答える。 「どうやら、ジョージ王子を皇帝に擁立する一派が立ち上がったようですな」  あくまで自分は知らぬ存ぜぬ、一切関わっていないという表情を見せる公爵だった。  エリザベスも承知の上ではあるが、言葉には出せなかった。  息子と弟とを両天秤に掛けても、どちらに傾くかは自分では図ることができない。  もはや情勢にまかせるしかなかったのだった。  突然、宮殿入り口が騒がしくなった。  おびただしい軍靴の音が鳴り響いている。  謁見の間へと姿を現した軍人たちがなだれ込んで来る。  銃を構えて、大臣達を威嚇する。  軍人たちをかき分けて、リーダーらしき人物が入ってくる。 「我々は、ジョージ親王殿下を皇太子として擁立するものだ!」  大臣の一人が異議を訴える。 「何を言うか! 皇太子はすでにアレクサンダー王子が……」  そこまで言ったところで、兵士に銃床で腹部を殴られて倒れる。  さすがにエリザベス皇女の前では、発砲流血騒ぎは起こせないようだ。  例えジョージ親王が帝位に就いたとしても、まだ幼くて政治を執ることは不可能 であるから、摂政が立つことになる。  後日に分かったことであるが、議員の中でも摂政派に属する者は解放されたという。  これによって、摂政派による反乱ということが明らかとなった。  反乱軍は、放送局、宇宙港などの公共機関、財務省などの政府機関を次々と掌握 していった。
     
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