陰陽退魔士・逢坂蘭子/第三章 夢鏡の虚像
其の拾陸  若い女性が数人の男達に押さえつけられて輪姦されていた。 「この鏡には、女性達が苦しむ最も残酷な場面が残留思念として、魂と共に閉じ込めてあ るのだ。つまりこの女性の魂は未来永劫輪姦され続ける思念に苦しめられるというわけだ 」 「なんてことを……」 「しかもこの女性は男達に襲われたのではない。私がその身体を乗っ取って、男達の前で 衣服を脱がせて淫乱女を演じさせたのだ。だが身体を乗っ取られても意識ははっきりと覚 醒し、目の前で意にならないことが起きていることをどうすることもできない。この女性 は清廉潔白で純真無垢な生娘だったよ。さぞかし心痛な思いであっただろうな」 「貴様! 人の純真な心を無残にも踏みにじるとは許せん!」  怒り心頭にきて我慢の限界であった。  蘭子は片膝を付いて呪法を唱え始めた。 「バン・ウーン・タラーク・キリーク・アク」  心臓抜き取り変死事件の時に使用したあの呪法である。  構えた両手の間に五芒星の印が現れる。 「はっ!」  蘭子が気を放つと同時に五芒星は魔人の額を捕らえたが、すぐに消えてしまった。 「効かない?」 「何かね、今のは? そんな呪法など、私には効かない。それでは、こちらからも攻めさ せてもらおうか」
     
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