美奈の生活 for adlut episode-1
【コスチュームプレイ】
それから夫婦として円満な生活を送っていた。
ある夜のこと、俊介が紙包みを抱えて帰ってきた。
「何か、買ってきましたの?」
「ああ、今夜のお楽しみだよ」
「今夜? 何ですの、見せていただけませんか」
「ふふふ。だめだよ、夜になってから」
少し嫌な予感を覚える加奈子だった。
そしてベッドインの時間となる。
「実は、これなんだ」
と、例の紙包みの中身を披露する俊介だった。
「こ、これは!」
「どうだ。懐かしいだろう?」
美奈が通っていた中学校の制服によく似ていた。
懐かしいのは確かだった。
あれ以来、思い出として残しておくために、そのまま封印してある美奈の部屋。
その箪笥の中に、ちゃんとしまってあるはずだ。
俊介には絶対に入らないように言ってあるし、俊介も理解してくれているはずだからそ
こから持ち出したわけではないだろう。
第一、子供の体型を残す美奈と、成熟した大人の体格の加奈子では、サイズがまったく
合わないから着れるものではない。
しかし……。
「こんなもの、どうやって手に入れたのですか?」
「なあに、ある所にはあるものだよ」
「……まさか、ブルセラショップですか?」
婦人雑誌を読んでいて、【最近の女子校生事情】という記事の中に、使い古しの女子校
生服が売買されていて、女子校生達が小遣い稼ぎに出入りしているというものがあった。
ブルセラショップ。
かつてほどの隆盛はないものの、必要としている者がいる限り、その存在はあり続ける
だろう。
太古の昔から、売春や麻薬犯罪組織が存在し続けるように。
「あはは、違うよ。ブルセラで売っている物の前の所持者が女子校生とは限らないだろう。
変質者が集めた物が、急に金が必要になったとか、飽きたとかで再販に出される場合もあ
るからな。そんなものをおまえに着せようとは思わないよ」
「ブルセラではないのですか?」
「もちろんだよ。これは新品でね、新しい形態の制服販売ショップがあるのだよ。アニメ
のヒロイン達が着ている模写制服や有名女子校制服を売っている店があるんだよ。アニメ
ショップの姉妹店だったかな」
「ああ、それ知ってる。駅前にできたアニメショップでしょ。一階と二階がアニメショッ
プで、三階が制服売り場なのよね。あたしもよく行くわ」
「加奈子……美奈に戻っているな」
これからベッドインしようという時に、娘の美奈の心に戻ってしまったら、できるもの
もできなくなってしまう。
この時間は加奈子でなければいけないのだ。
「あ、ごめんなさい。ところで、これをどうしようと言うのですか? まさか……」
嫌な予感が的中したというところであった。
制服は着るもので、眺めて楽しむものではない。
それを夫婦の時間に持ち出した理由は……。
ただ一つしかない!
「もちろんおまえに着てもらうためさ」
やっぱりだ。
コスチュームプレイ。
それに尽きる。
今夜、それをやろうと言っているのである。
「なあ、頼むよ。それを着てくれないか。そして一緒に楽しもうじゃないか」
夫婦円満といっても、いつも同じの性生活を続けていては、どうしてもマンネリ化は避
けられなくなるものである。
リフレッシュするためにもコスチュームプレイを取り入れるのはいいものかも知れない。
結局、それを着込んでコスチュームプレイに臨むことを承諾する加奈子であった。
とは言っても、制服を着てただするだけでは能がない。
コスチュームプレイにはそれなりの段取りが必要なのである。
「早速だけど、痴漢電車プレイにしようじゃないか」
「痴漢電車?」
それからコスチュームプレイのシナリオを披露する俊介だった。
万事周到怠りなしであった。
つづく
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