40-2.神経線維腫症U型
1 診断基準
MRI 又はCT で両側聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)が見つかれば神経線維腫症U型と診断する。また,親・子ども・兄弟姉妹のいずれかが神経線維腫症U型のときには,本人に
@片側性の聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫),又はA神経鞘腫・髄膜腫・神経膠腫・若年性白内障のうちいずれか2 種類,が存在すれば診断が確定する。
2 検査所見
造影MRI,聴力検査,眼科的検査が必要で,特に造影MRI と聴力検査は毎年1〜2 回定期的に行う必要がある。
頭部造影MRI では,前庭神経鞘腫・三叉神経鞘腫を始めとする各脳神経鞘腫,髄膜腫のほかに,脳室内腫瘍や眼窩内腫瘍もみられる。また,脊髄造影MRI では,多発する脊髄神経鞘腫と髄内腫瘍(多くは上衣腫)がみられる。これらの腫瘍は,成長せずに長期間同じ大きさでとどまることもあるが,増大することもあり,成長の予測は困難である。
聴力検査としては,純音聴力検査,語音明瞭度検査,聴覚誘発電位検査を行う。聴力損失と前庭神経鞘腫の大きさは必ずしも相関せず,聴力損失が長期間不変のことや急に悪化することもある。眼科的には白内障検査と視力検査を行う。若年性白内障(posterior subcapsular lenticular cataract)は外国では80%と高率に報告されている。
3 特定疾患治療研究事業の範囲
U型の診断基準により神経線維腫症と診断されたすべての者。
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