難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

ハンチントン病/診断・治療指針(公費負担)

特定疾患情報認定基準

■定義
主に成人に発症し、舞踏運動(chorea)と痴呆を主症状とする遺伝性変性疾患である。症状は進行性で、10〜20年で死亡に至る。

■疫学
有病率は、わが国では人口10万人あたり0.38人と非常にまれな病気である。欧米ではわが国の約10倍の頻度である。浸透率が極めて高い。

■病因
常染色体優性遺伝を示す遺伝疾患である。近年遺伝子異常が同定された。

■症状
舞踏運動(chorea)を主とする不随意運動と、痴呆・性格変化などの精神症状が代表的な症状である。不随意運動は、舞踏運動が多いが、時にはアテトーゼ、ジストニーのこともある。筋緊張は一般に低下する。

10歳代に発症する若年型や病気が高度に進行した例では、舞踏運動がほとんど見られず、仮面様顔貌、筋固縮、寡動などのパーキンソニズムの病像を呈することが多い(固縮型)。

■診断
画像所見では、CT、MRIなどで尾状核の萎縮、側脳室の拡大が見られ、病気の進行とともに著しくなる。また進展期には前頭葉を主とする大脳萎縮を認める。家族内発症の存在、臨床所見、上記の画像所見があれば、診断はほぼ確実である。DNA診断を行えばより確実である。未発症者では、原則としてDNA診断は行わないが、実施する場合には、倫理的配慮および診断確定後のケアーが不可欠である。

■治療
遺伝性疾患であり、病勢を止める治療法はまだ開発されていない。舞踏運動に対してはハロペリドール、パーフェナジンなどが有効であり、これらの抗精神病薬は精神症状にも有効である。

■予後
不随意運動、痴呆は進行性である。次第に筋固縮が出現して全身の屈曲拘縮の状態となる。10〜20年の経過で死亡することが多いが、死因は呼吸器感染、全身衰弱などである。


神経変性疾患に関する調査研究班から
ハンチントン病 研究成果(pdf 27KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

この疾患に関する関連リンク
  神経変性疾患に関する調査研究班ホームページ

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