難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

原発性高脂血症/診断・治療指針

特定疾患情報

■概要
 高脂血症とは,空腹時に測定した血清コレステロール値220mg/dl,血清トリグリセリド150mg/dlのいずれか,あるいは,双方を超えるものと定義されている。本症は粥状動脈硬化症,腎症,膵炎などの発症と深くかかわりがあり,その病態解明は,有効な治療法の開発につながり臨床的に極めて重要である。原発性高脂血症とは,明らかな原因疾患があり(注1)あるいは薬剤の服用(注2)に付随して生じる二次性高脂血症を除外した上で,未だ原因の明らかでない疾病をいい,既にある特定の遺伝子異常に起因するものが含まれてくる。本班においては,末だ原因が明らかでない原発性高脂血症の実態調査及び病態解析に関する研究を最重点研究課題とし,中でも動脈硬化発症とかかわり合いの深い,家族性複合型高脂血症を中心とした高中性脂肪血症の病態解析について,あるいは,現在動脈硬化発症との関係が明らかでないコレステロール輸送蛋白欠損症(CETP欠損症)について,その病態解析及び,動脈硬化発症との関連性について結論を出したいと考えている。一方,家族性高コレステロール血症(FH)については,既に遺伝子レベルでその異常が検討されてきているが,我が国における集計と,どの遺伝子の異常が動脈硬化発症と強く結びついているかについて検討したい。さて,今まで,原発性高脂血症の病態解析が遺伝子レベルで盛んに行われてきたが,基本的には単一遺伝子の異常解析であった。ところが家族性高コレステロール血症(FH)を例にとっても患者間により,その病態にかなりのばらつきがある。そこで,当研究班の1つのテーマとして,例えばFHなどに他のいくつかの脂質代謝関連遺伝子異常が合併して本来の病態を修飾している可能性があり,病態修飾と遺伝子レベルの解析とを考え合わせて検討していきたいと考えている。いずれにしろ,現時点では,各疾患単位の成因が不明のものも多いため,あくまで下記の分類は暫定的なものである(家族歴の明瞭なものは,家族性高脂血症と称する)。

(注1)糖尿病,甲状腺機能低下症,クッシング症候群,ネフローゼ症候群,慢性腎不全(腎透析時),閉塞性黄疸,原発性胆汁性肝硬変,I型糖尿病,末端肥大症,神経性食思不振症,リポジストロフィー,モノクローナルガンモパティーなど

(注2)副腎皮質ホルモン,エストロゲン製剤(経口避妊薬を含む),一部の降圧剤,抗うつ剤,向精神薬,アルコール飲用など


原発性高脂血症に関する調査研究班から

原発性高脂血症 研究成果(pdf 23KB)
 この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

情報提供者
研究班名 代謝系疾患調査研究班 (原発性高脂血症)
情報見直し日 平成19年6月17日

メニューに戻る