1. ビタミンD受容機構異常症とは
ビタミンD抵抗性くる病のうち、腎臓における活性型ビタミンDの産生に異常のある型をビタミンD依存症I型、活性型ビタミンDに対する標的器官の反応が欠如あるいは不良(ビタミンD受容体の異常)である型をビタミンD依存症II型(ビタミンD受容体機構異常症)と呼びます。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
1978年以来、全世界で30例あまりの報告があります。
3. この病気はどのような人に多いのですか
ほとんどの場合1−2歳以内に発症しますが、10歳以上での発症例の報告もあります。
4. この病気の原因はわかっているのですか
ビタミンD受容体遺伝子の異常が原因だと考えられています。現在までに13種類以上の異常が明らかにされています。
5. この病気は遺伝するのですか
常染色体劣性遺伝と考えられています。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
低カルシウム血症、高アルカリフォスファターゼ血症、くる病性の骨変化、二次性の副甲状腺機能亢進症を呈し、半数以上に禿頭を伴います。血中活性型ビタミンDは通常上昇します。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
色々な報告がありますが、一般的には依存症I型に比べ、大量のビタミンDの投与が必要で、カルシウム剤を使う場合もあります。禿頭を伴う場合は、治療に抵抗性のことが多いです。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
自然に軽快する例や治療により治癒し以後再発しない例もありますが、3歳までに肺炎や痙攣のため死亡する例や治療に抵抗する例、また治癒した後再発する例もあります。
情報提供者
研究班名 内分泌系疾患調査研究班(ホルモン受容機構異常)
情報見直し日 平成20年4月29日
メニューに戻る