1 自覚症状
(a) 眼瞼下垂 (b) 複視 (c) 四肢筋力低下 (d) 嚥下困難 (e) 言語障害
(f) 呼吸困難 (g) 易疲労性 (h) 症状の日内変動
2 理学所見
(a) 眼瞼下垂 (b) 眼球運動障害 (c) 顔面筋筋力低下 (d) 頸筋筋力低下
(e) 四肢・体幹筋力低下 (f) 嚥下障害 (g) 構音障害 (h) 呼吸困難
(i) 反復運動による症状増悪(易疲労性),休息で一時的に回復
(j) 症状の日内変動(朝が夕方より軽い)
3 検査所見
(a) エドロホニウム(テンシロン)試験陽性(症状軽快)
(b) Harvey-Masland 試験陽性(waning 現象)
(c) 血中抗アセチルコリンレセプター抗体陽性
4 鑑別診断
眼筋麻痺,四肢筋力低下,嚥下・呼吸障害をきたす疾患はすべて鑑別の対象になる。Eaton-Lambert 症候群,筋ジストロフィー(Becker 型,肢帯型,顔面・肩甲・上腕型),多発性筋炎,周期性四肢麻痺,甲状腺機能亢進症,ミトコンドリアミオパチー,進行性外眼筋麻痺,ギラン・バレー症候群,多発性神経炎,動眼神経麻痺,Tolosa-Hunt 症候群,脳幹部腫瘍・血管障害,脳幹脳炎,単純ヘルペス・その他のウイルス性脳炎,脳底部髄膜炎,側頭動脈炎,ウェルニッケ脳症,リー脳症,糖尿病性外眼筋麻痺,血管炎,神経ベーチェット病,サルコイドーシス,多発性硬化症,急性播種性脳脊髄炎,フィッシャー症候群,先天性筋無力症候群,先天性ミオパチー,ミオトニー,眼瞼痙攣,開眼失行
5 診断の判定
確実例: 1 自覚症状の1つ以上,2 理学所見(a)〜(h)の1つ以上と(i),(j),3 検査所見(a),(b),(c)の1つ以上が陽性の場合
疑い例: 1 自覚症状の1つ以上,2 理学所見(a)〜(h)の1 つ以上と(i),(j),3 検査所見(a),(b),(c)が陰性の場合
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