■概念・定義
黄色靱帯骨化症(the ossification of the yeIlow ligament;OYL)は,全脊柱に発生し,レントゲン写真での診断は可能であるが上位胸椎では極めて困難である。胸腰移行部に多く発生し単純レントゲン写真で不明なときは断層写真あるいはMRI,CTが有用である。頸椎にみられることもあるが,頸椎では組織学的には黄色靱帯石灰化症である。靱帯石灰化症と靱帯骨化症とは異なる。
■疫学
レントゲン写真上の診断が困難なことから正確な疫学調査は少ない。胸椎の発生が多く,胸椎高位別では下位胸椎から胸腰移行部に多い。
頸椎後縦靱帯骨化症,あるいは胸椎後縦靱帯骨化症と合併することが多いことから,脊柱管内靱帯骨化の一連の疾患と考えられている。しかし単独で発症することもある。
骨格標本の肉眼的観察では4.5%に黄色靱帯骨が見られたとの報告もある。
■病因
原因は不明である。脊柱管内靱帯骨化症の一部分症と捉えられている。骨化黄色靱帯の経年的生化学的分析では,若年者の黄色靱帯にはデルマタン硫酸が多いが加齢とともに,また骨化靱帯にはコンドロイチン硫酸が増加する。
OYLによって脊髄が圧迫されて症状が起これば進行性であることが多いので,観血的治療の対象となり得る。全身的な要因,遺伝的な要因の検索にはHLAの検索が行われている。
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究班から
黄色靭帯骨化症 研究成果(pdf 14KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。
情報提供者
研究班名 骨・関節系疾患調査研究班(脊柱靭帯骨化症)
情報見直し日 平成20年4月25日
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