■概念・定義
ペルオキシソームは細胞内小器官の1つであり、肝臓や腎臓に多いが、すべての細胞に存在する。過酸化水素を分解する機能を担うことから、その名が由来しているが、その後の研究により、脂肪酸代謝を始めとする多くの生理機能(表1)をもつことが明らかにされた。ぺルオキシソーム病は、ペルオキシソームに局在する酵素の単独酵素欠損症と、ペルオキシソームそのものが形態学的に認められない疾患群(ペルオキシソーム形成異常症)の総称である(表2)。
表1 ペルオキシソームの生理機能
1.過酸化水素の分解 2.脂肪酸β‐酸化(極長鎖脂肪酸、フィタン酸) 3.胆汁酸生成 4.コレステロール生成 5.プラスマロゲン生成 6.アミノ基転移・酸化反応 7.ピペコール酸代謝 |
1.ペルオキシソーム形成異常症 (1) Zellweger症候群 (2) 新生児型副腎白質ジストロフィー (3) 乳児型Refsum病 (4) 肢根型点状軟骨異形成症 (5) Zellweger‐like症候群 2.単独酵素欠損症 (1) 副腎白質ジストロフィー (2) β-酸化系酵素欠損症 アシル‐CoAオキシダーゼ欠損症 D-二頭酵素欠損症 (3) 高シュウ酸尿症I型 (4) 無カタラーゼ血症 (5) ジヒドロキシアセトンリン酸アシルトランスフェラーゼ欠損症 (6) Refsum病 |