続・冗談ドラゴンクエスト 冒険の書・11
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勇者オルテカの娘の依頼
ギルト「そういうわけですので、この依頼は登録だけ済ませておけば、他の依頼を受けても
結構です。いつでも竜王に会って依頼を受ければいいのです」
コンラト「なるほど……」
ナタリー「一応登録しておきますわ」
ギルト「では、この書類に署名をどうぞ」
勇者「おうよ。ここにサインをっと( ..)φカキカキ」
ナタリー「あら珍しい。あんたが率先して登録するなんて」
勇者「何せ百万Gが掛かっているからな。成功すれば当分の間、遊んで暮らせるからな」
ナレ「四名の登録が完了した」
コンラト「とはいっても、魔王城に行くにはもっと経験値を稼いでレベルアップしなければな
りませんね」
リリア 「どれくらいのレベルでしょうか?」
コンラト「行って帰ってくるには、最低でもレベル45は必要です」
リリア 「全然足りませんね」
ナタリー「とにかく他の依頼をこなしてレベルアップにも励まなくちゃね」
勇者「それで、次の依頼はあるか?」
ギルト「そうですね。これなどいかがでしょうか……アリアヘンの町にいらっしゃる勇者と
いう方で、勇者オルテカの娘とか……あら、これ依頼主がそちらの方のお名前と同じです
ね」
勇者「アリアヘンの勇者?……ああ、それ。俺のひいばば(曾祖母)だよ」
ナタリー「う、うっそう!?じゃあ、あんた。あの勇者オルテカの娘、大魔王ズーマを倒した
あの勇者の曽孫なの?」
勇者「ああ、一応そういうことになっているらしい。んで、血筋というわけで勇者に祀り
上げられたってわけさ」
リリア 「なるほどですね。すべて納得しましたわ」
ナタリー「なんで今まで黙っていたのよ?」
勇者「誰も聞かなかったじゃないか」
コンラト「まさか勇者さんが勇者オルテカの子孫だなんて、誰も想像も出来ませんから」
リリア 「ですよね」
ナタリー「まあいいわ。その依頼受けます。あんたも実家に戻れるんだからいいよね」
勇者「他の依頼にしないか?」
ナタリー「なんでよ?」
勇者「実は、勘当されてな。帰れねえんだ」
リリア 「勘当された?」
勇者「二度と敷居を跨ぐことはゆるさんてね」
コンラト「ご両親を怒らせるようなことをしたのですか?」
勇者「決まってるじゃないか。俺は根っからの遊び人なんだよ。それなのに、やれ剣術や
武闘の稽古ばかりさせられるから」
リリア 「まあ、勇者の血筋というなら息子にも、期待を掛けて稽古事をやらせるのは理解で
きますね」
勇者「それで、道場の稽古料を全部遊びに使いまくってた。箪笥のヘソクリもクスねてた
からよ」
ナタリー「で、堪忍袋の緒を切らしちゃったわけね」
コンラト「ともかくですね。ギルドの依頼を受けて行くのですから、ご両親も一応無碍には
しないと思いますが」
リリア 「そうですね。ギルドの依頼なら断れないですよね」
ナタリー「とにかく、この依頼受けるわよ」
勇者「どうしても?」
ナタリー「どうしてもだよ」
ナレ「というわけで、アリアヘンへと向かうことになった一行だった」
リリア 「道案内は勇者さんにお任せですね」
ナタリー「あんたアリアヘン出身なんだから、当然ルーラの呪文なりキメラの翼で飛べるわよ
ね」
勇者「そうなのか?ルーラの呪文は使えないし、キメラの翼も使ったことないぞ」
コンラト「大丈夫ですよ。行ったことのある場所なら、どこにでも行けます」
ナタリー「キメラの翼を手に持って、行きたい場所の風景を思い浮かべながら念じるのよ」
勇者「こ、こうか?」
ナレ「ナタリーの指示したように、キメラの翼を手に持ち念じはじめる勇者。やがて勇者
の身体がふわりと舞い上がった。そして気が付いた時には、アリアハンの町はずれに立っ
ていたのである」
ナタリー「やったじゃない!成功よ」
勇者「や、やれば出来るもんだな(*^^)v」
リリア 「さあ、勇者さんのご実家に参りましょうか」
ナレ「こうして、依頼主のオルテカの娘、勇者の曾祖母との再会となるのである」