入院当初は検査の連続でした。
イレウス(腸閉塞)を引き起こしている原因をつきとめてからで
例えばイレウスを引き起こす要因として、
■機械的イレウス
結石などの異物による閉塞。
子宮外妊娠などによる腸管圧迫。
寄生虫(回虫・サナダムシなど)。
ポリープや腫瘍・癌による狭窄。
クローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症・癒着・屈曲。
■機能性イレウス
急性腹膜炎。
鉛中毒。
運動性麻痺。
などが挙げられます。
これらの要因となっているものをしらみつぶしに当たっていって
イレウスの治療の基本として、絶飲食によって腸を休ませて快方
点滴による栄養補給が一番の治療方法となります。
水も食事も摂れない絶飲食。
同室の患者さん達が、食事をしているのを横目で眺めているだけ
それを十日間ほど続けたある日。
「食事を摂ってみましょうか」
ということになった。
イレウスの原因が判ったからではなくて、ためしに食事を入れて
試行錯誤的治療方法である。
せっかくの食事を吐いてしまうかもしれないが、その時はそれな
その夜、はじめての食事が出された。
といっても重湯である。
米の研ぎ汁をそのまま煮ただけとも思えるような透明の液体。
ほんの少し塩味がついているだけで、味もそっけもない食事。
それでも何とか食事を終えた。
吐き気は起きなかった。
少しは快方に向かっているということか。
三日後には、三部粥になった。
しかし、その夜に熱が出た。
翌日も三部粥だったが、やはり熱が出た。
どうやら固形物が入ると熱が出るようである。
というわけで、再び絶飲食に戻った。