■概念・定義
1963年頃より視神経障害を伴う脊髄炎様疾患が報告され、1964年に臨床症状よりSMON(Subacute Myelo-Optico-Neuropathy)の病名が公用的に用いられてきた。1970年9月キノホルム説により薬剤使用禁止により新患者の発生がなくなった。
■疫学
1972年頃の実体調査では11,127名であったが、1992年健康管理手当受給者(和解済)は6,472名であった。
この当時40〜50歳代の10,000人以上の患者の存在が推定されている。
■病因
整腸剤であるキノホルムの服用が原因と考えられ、キノホルムアメーバー赤痢に対する薬効のため、キノホルムを使用している外国においては現在でも発症の報告がある。動物実験でもビーグル犬を始めネコ、サルにおいて発症に成功している。
■症状
キノホルム投与により激しい腹痛が起こり、両側性視力障害に伴って足先より上行する異常知覚を伴う知覚障害、運動障害を訴える。当初各種治療を行ったが、90%以上の患者が後遺症を有する。
表1 身体状況の推移
表1
下肢の運動障害、膝蓋腱反射亢進+アキレス腱反射低下の特異な組合せ、びりびり感、じんじん感、痛みという異常知覚、自律神経症状などが主要な症状である。これに最近では合併症(表2)が症状をより悪化させ患者を苦しめている。
表2 合併症の種類と頻度(2007年度)
| 合併症の種類 | 全国890例 |
|---|---|
| 合併症あり | 859 (98.6%) |
| 白内障 | 554 (63.6%) |
| 高血圧 | 397 (45.5%) |
| 脳血管障害 | 100 (11.4%) |
| 心疾患 | 216 (24.8%) |
| 肝胆のう疾患 | 131 (15.0%) |
| その他消化器疾患 | 257 (29.5%) |
| 糖尿病 | 100 (11.4%) |
| 呼吸器疾患 | 77 (8.9%) |
| 骨折 | 161 (18.5%) |
| 脊椎疾患 | 331 (38.1%) |
| 四肢関節疾患 | 299 (34.3%) |
| 腎泌尿器疾患 | 153 (17.6%) |
| パーキンソン症状 | 22 (2.5%) |
| ジスキネジー | 9 (1.0%) |
| 姿勢動作振戦 | 20 (2.3%) |
| 悪性腫瘍 | 68 (7.5%) |
| その他 | 451 (51.7%) |