難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

特発性両側性感音難聴/診断・治療指針

特定疾患情報

■概念・定義
急性高度難聴の概念は昭和57年に公式に認められたもので,突発性難聴を始めとする急激に発症する難聴をまとめたものである。すなわち昭和48年に突発性難聴の診断基準ができて,概念が確立した。その後、両側性であり発作を繰り返す疾患として特発性両側性感音難聴の診断基準が昭和53年に作られた。さらにその中から免疫異常に伴う難聴が昭和63年に提案された。一方では比較対象と境界確認の意味で昭和58年に外リンパ瘻,昭和62年にムンプス難聴の診断基準が作られ,その差と類似点が研究対象となった。最近では主として低音部に軽度の感音難聴を示すものが急性低音障害型感音難聴という独立疾患として取上げられるようになってきている。
現在は急性高度難聴の概念はこれらの疾患の総称となっている。

■疫学
平成5年疫学調査柳田疫学分科会長を通じ厚生省特定疾患調査研究班の中の難病の疫学研究班(班長:大野良之)に協カして以下の結果を得た。
一次調査から,突発性難聴は年間24、000名,特発性感音難聴は年間700名,ムンプス難聴は年間400名,免疫異常に伴う難聴は年間200名と推定した。(平成13年の調査で突発性難聴は年間32,000名に増加している。)
二次調査結果では,性別に見ると突発性難聴は人口100万対で、男 122.3,女131.7であり,やや女性に多く,男性では60〜64歳を,女性は 55〜59歳を頂点とする一峰性を示した。特発性難聴は人口100万対で男6.1,女5.1で,若年性と高齢にピークをもつ二峰性である。
pooled controlを用いて突発性難聴の症例−対象研究を行った。その 結果,睡眠時間の短さ,喫煙が発症に関連している可能性が示唆された。ただし,症例が少なく,片寄った地方の症例の解析なので,今後なお検討を重ねる必要がある。

■病因
特発性両側性感音難聴は免疫異常を伴っているもの,また遺伝的な問題も否定できない。

■症状
突発性難聴は突然発症する一側性の難聴で発作はほとんどの場合1回限りであるが,特発性両側性感音難聴は発作を繰り返し,経過とともに進行する。めまいを伴うこともあるが繰り返すものは除外される。また耳鳴りを随伴する確率が高い。

■治療
特発性両側性感音難聴では難聴悪化時は突発性難聴に準じて治療される。慢性期の治療方針は定まっていない。中にはステロイド依存性のものがあるが,長期間使用することになるので二次病院で管理することが望ましい。

■予後
特発性両側性感音難聴では進行を繰り返し、両側の極めて高度の難聴となることがある。


急性高度難聴に関する調査研究班から
研究成果(pdf 30KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

情報提供者
研究班名 聴覚・平衡機能系疾患調査研究班(急性高度難聴)
情報見直し日 平成20年5月2日

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