難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

進行性多巣性白質脳症(PML)/特定疾患情報

診断・治療指針

1. 進行性多巣性白質脳症(PML)とは?
大脳の表層は大脳皮質と呼ばれ、神経細胞の多い所ですが、その神経細胞からの連絡線維が鞘(髄鞘)に覆われて走行する所は大脳白質と呼ばれます。大脳白質の髄鞘があちこちで破壊される病気です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
1999〜2003年の全国の神経専門医を対象に行なった調査では診断を受けた方、また疑いが有る方を含めて、約50名位の方が報告されております。この調査では対象を神経専門医のみとしましたので、発症者数はもっと多いと思われます。今後はHIVの感染の増加に伴って増加することが予想されます。

3. この病気はどのような人に多いのですか
男女差はありません。発症年齢は通常大人ですが、稀に20歳以下の患者さんもいます。地域差はありませんが、免疫力が低下した人に生じやすいことがわかっています。

4. この病気の原因はわかっているのですか
ヒトのポリオーマウイルスという通常皆さんが感染していても何も症状を示さないウイルスです。

5. この病気は遺伝するのですか
遺伝しません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか
人によって様々な症状が見られますが、多くは注意力の減退、記憶障害、混乱、性格変化、痴呆、異常 行動などの知的症状や、目が見えにくいとか視野が狭くなる目の症状や言語障害、運動障害などの多彩な神経症状を示します。

7. この病気にはどのような治療法がありますか
ウイルスの増殖を阻止する薬で病気の進行を止める場合もありますが、症例によっては効かない場合もあります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか
一般に徐々に進行しますが、治療効果や患者さんの免疫力の改善などにより進行が止まり、回復する場合もあります。


情報提供者
研究班名 プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班
情報見直し日 平成20年5月7日

メニューに戻る