1. 脊髄空洞症とは
脳や脊髄を取り囲んでいる脳脊髄液が脊髄の中にたまり、脊髄を内側から圧迫するため、色々な神経症状、全身症状を呈する病気です。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
外来患者に占める割合は約0.4%とされ、1991年〜1992年の脊髄空洞症の全国疫学アンケート調査では全国の患者数は2,000名前後でした。
3. この病気はどのような人に多いのですか
男女差なく20、30歳代の発症が多いが、あらゆる年齢層にみられます。
4. この病気の原因はわかっているのですか
大孔部という脳と脊髄の移行部にキアリ奇形を伴うものが多いですが、大孔部や脊髄の炎症(くも膜炎)、脊髄腫瘍、外傷などに伴うもの、原因が不明な特発性のものがあります。
5. この病気は遺伝するのですか
遺伝性の病気ではありません。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
この病気の特徴は温痛覚障害です.たとえば腕を強くつまれても触れられているという感覚はあるのに、痛みを感じない、あるいは火傷をしても熱さを感じないことです。病気が進み空洞が大きくなると、しびれ、筋肉のやせ、手足の脱力、つっぱりがみられてきます。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
しびれなどの症状にあわせた薬剤による治療のほか、外科的治療(後頭蓋窩減圧術、空洞ーくも膜下腔短絡術など)が行われます。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
未治療の場合、症状が徐々に進行することが多いです。時に症状が進行した後停止あるいは改善することもあります。
脊髄空洞症の食事・栄養について |
食事や栄養について気をつけることはありますか? 脊髄空洞症では、空洞が延髄などの脳幹部に形成(延髄空洞症)されたり、併発するキアリ奇形により脳幹部が圧迫されたり、また、舌下神経麻痺により舌の萎縮を呈する場合で、食事の際に時に飲み込みづらさや飲み込んだ水分などが気管に誤って入いり、むせて苦しくなる誤嚥がみられることがあります。これらは、嚥下に関する機能が障害されるために起こりますので、飲み込みやすい食品(水気のあり、滑らかな食品、とろみ食など)を選択し、水分、栄養補給に注意をする必要があります。 |