難病(特定疾患)と生活保護・社会保障を考える【携帯/モバイル版】

この場を借りて、難病(特定疾患)と生活保護などの社会保障制度について考えてみたいと思います。

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎/診断・治療指針

特定疾患情報

■概念・定義
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)は対称性に運動、感覚が侵される多発性根神経炎で、上下肢の遠位部または近位部に脱力と感覚障害が起こる。

脳神経系はあまり侵されない。自律神経系の障害は、あっても問題になることは少ない。伝導ブロックを伴った多発局在性ニューロパチーは亜型と考えられる。感覚障害のみの患者はCIDPに入れない。

緩徐に発症し、先行感染は明確ではない(一部に上気道感染)。

亜急性又は慢性(2ヵ月から数カ月以上)に進行する。階段状進行又 は寛解再発することもある。

深部腱反射は低下、消失している。脳脊髄液(CSF)には、軽度 (正常の2〜4倍)の蛋白増加がある。わずかのリンパ球増加を伴うこともある。

筋電図で、神経伝導速度の遅延(正常下限の70%以下)がある。 神経生検で炎症細胞浸潤と脱髄、オニオンバルブ形成、軸索変性が見られる。

■疫学
日本での厳密な疫学研究の報告は末だない。男女比は1.5〜2:1で 男性に多い。発症年齢は2〜76歳(平均30歳代)。有病率は0.3〜0.5人/ 100,000人と推定される。多発性硬化症との合併が稀でない。

■病因
末梢神経髄鞘構成成分に対する自己免疫によって発症すると考えられている。多発性硬化症の合併がみられ、末梢神経での類似の機序が想定されている。

■予後
慢性進行性や再発性の経過をとることが多く、筋萎縮や重度の身体障害に陥ることが多い。呼吸障害や褥瘡よりの感染により死亡する例も稀ではない。自然寛解もときに見られる。


免疫性神経疾患に関する調査研究班から
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎 研究成果(pdf 23KB)
この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

この疾患に関する関連リンク
免疫性神経疾患に関する調査研究班ホームページ

情報提供者
研究班名 神経・筋疾患調査研究班(免疫性神経疾患)
情報見直し日 平成19年9月6日

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