機動戦艦ミネルバ/第四章 新型モビルスーツを奪回せよ
XVI
ミネルバ艦橋。
「ミサイルです! 下方から」
「急速旋回! 戦闘配備」
ミサイルを何とか交わしたものの、Uターンして追いかけてくる。
「CIWS全其展開! 準備が整い次第迎撃開始」
最初に迎撃体勢に入ったのは、ステラ発射機だった。射程800mから1400mという短射程
迎撃ミサイルである。そして見事に敵ミサイルを撃ち落とした。
「爆雷発射管用意! 流砂爆雷を装填。三番速射砲にAP徹甲弾装填。投下式アクティブ
ソナー射出」
次々と発令するフランソワ。迎撃用として使用可能な兵器に指令を出して、万全の体勢
を整えていた。
「潜砂艦のようですね」
「他にはないでしょう」
「ここで戦闘するよりも、全速で離脱したほうが良いのでは?」
「潜砂艦なら、核ミサイルを搭載している可能性があります。放ってはおけないでしょ
う」
「なるほど」
「流砂爆雷装填完了」
「AP徹甲弾装填完了」
迎撃体勢は整った。
「三番速射砲は、敵ミサイルが発射されたら、発射点に対して攻撃開始」
「ミサイルです」
砂の中からミサイルが飛び出した。すかさず三番速射砲が火を噴く。
しかし手応えはなかった。
敵艦は砂の中を移動しながら、攻撃を加えているようだ。
「投下式アクティブソナーが敵艦を補足しました」
地上に数箇所に投下したアクティブソナーからのデータを、コンピューターが即座に処
理して、刻々と移動する敵艦の位置を克明にスクリーンに表示した。
「流砂爆雷投下!」
ミサイル攻撃のお返しとして、流砂爆雷をお見舞いする。
流砂爆雷は、発射時に高速回転を与えられて、弾体に取り付けられた穿孔ドリルによっ
て、砂中十数メートルまで潜って爆発するようになっている。
潜砂艦が潜れる深度は、最大でも二十メートル程度である。それ以下は固い岩盤に遮ら
れて潜ることができないので、爆雷深度としては十分の破壊力を持っている。
潜砂艦内では、爆雷が炸裂するたびに激しい震動と爆音が続いていた。
艦の位置を補足された潜砂艦は、攻撃力の乏しさから不利は否めない。撃沈されたら浮
上することもできずに、砂の中に艦と共に葬られることになる。
乗員達の顔は青ざめ、恐怖にひきつっていた。
「流砂爆雷を搭載していたとはな。さすがに新造戦艦だ」
「投下式アクティブソナーによって、こちらの動きは探知されています」
乗員の表情を読み取ろうとしている艦長。
これ以上の戦闘は多大な後遺症を残すだろうとの見解に達した。
「投降信号を打ち上げろ! 浮上用意」
信号弾を打ち上げ、攻撃が止んだのを確認して、地上に浮上する潜砂艦。
砂上に潜砂艦がその全貌を現わした。
指揮塔のハッチが開いて、艦長ら主要参謀が出てくる。
やがて上空にミネルバが旋回しながら近づいてくる。