冗談ドラゴンクエスト
冒険の書・8

メニューへ part-8 ニーチェ村  というわけで、途中モトス村に立ち寄りながら、フェリス王国へと旅立つ一行で あった。  カタリ村を一歩出ればそこは険しい山道。魔物も襲い掛かってくる。  人面樹が3匹現れた。 「出たわよ。リリアは後ろに下がって」 「これでどうだ!」  すばやく剣を抜くと先頭にいる人面樹に切りかかる。  人面樹Aに300Pのダメージ。人面樹Aを倒した。 「さすが、騎士さんね」  といいつつ呪文を唱える。  真空刃攻撃が炸裂。人面樹B・Cに200Pのダメージ。  人面樹Bはマホトーンを唱えた。ナタリーは呪文を封じられた。 「呪文を封じられたわ。しかし、呪文を使うほどの相手でもなし」  人面樹Cは呪いの言葉をつぶやいた。リリアが呪われた。 「なになに?」 「呪文だけでは勝てませんよ」  と言いながら、人面樹B・Cに連続攻撃をかけた。  モンスターを全滅させた。  チャリラリラーン。どこからともなく聞こえる音色。  リリアはレベルアップした。HPが10Pアップした。MPが……(以下略)」 「なにこの声は?」 「ああ、気にしなくていいわ。レベルアップすると神様が祝福してくれるのよ」 「神様の祝福?」 「まあ、この世界の習い事の一つよ」 「はあ、良く判りませんが、理解することにします」 「そうして頂戴。いちいち気にしていたら世渡りはできないの」  と言っているそばから人面樹が現れた。  人面樹は呪いの言葉をつぶやいた。  一同、呪いを跳ね返した。 「よいしょ、っと(素早く剣を抜くと一撃で倒した)」 「さすがね」  再び人面樹が現れ、呪いの言葉をつぶやいた。 「こんどはあたしね」  というと素早く呪文を唱える。  人面樹を倒したが、さらに人面樹が襲いかかる。 「なによ! さっきから人面樹ばっかり」 「森の中だから?」  人面樹は相変わらず呪いの言葉をつぶやいている。 「呪いの言葉しか知らないの?」 「森の中で魔物に襲われたり行き倒れたりした人々の怨念がこもっていますからね」 「きりがないわ。さっさと森を抜けましょう」  果てしなく人面樹が襲い掛かり、呪いの言葉をつぶやき続ける。  やがて、目の前の方から明るい光が射してきた。 「森の外に抜けられるわ!」  一同、一目散に駆け出し、やっとこさ森を抜けることに成功した。  と突然、人面樹が現れた。 「ちょっと、何よ。森はもう抜けたのよ」 「このあたりは、まだ森の影響下にあるということでしょう」  人面樹を切り倒しながら答えるコンラッド。 「うっとうしいわね。逃げるわよ」 「逃げるんですか?」 「いちいち戦っていたら体力も精神力も消耗しちゃうわよ」 「その通りです」  一目散に逃げ出す一行。 「ここまで逃げればもう大丈夫でしょう」  振り返れば遠くに通ってきた森が見える。 「ごらんなさい。村が見えますよ」 「ほんとうだ。どこの村かしら」 「ニーチェ村です(小さな声で)」 「ニーチェ村? あなたのいた村ね」 「はい……」 「故郷に戻れたと言うのに嬉しくなさそうね」 「この姿では、故郷に戻れても誰もあたしがリリアだと気が付かないわ」 「そ、そりゃそうね。どうする? 立ち寄る?」 「ええ……。自分の家に寄って最低限必要なものを持ち出します」 「泥棒だと思われませんか?」 「あまり人の立ち寄らない村はずれにありますから大丈夫だと思います」  一同はニーチェ村に入り、リリアの家に立ち寄った。 「ここがリリアの家?」 「ええ、そうです」  と言いながら寂しそうな表情のリリア。  かつて暮らしていた自分の家。生活臭がまだそこここに残っていた。 「ご両親は?」 「亡くなりました。魔物に襲われて……」 「そうなの。生活も苦しかったでしょうね」 「魔物に襲われて家族を亡くした人はたくさんいますから。自分一人だけが苦しい んじゃないと、言い聞かせていました」 「感心しました」  そこへ大きな獣がのそりと入ってきた。 「魔物!?」  身構えるナタリーとコンラッド。 「大丈夫ですよ。人を襲ったりはしませんから」  二人を制するリリア。 「飼ってたの?」 「そうじゃないですけど、たまに遊びにくるんです」  と言いながら戸棚を探している。 「まだあるはずなんだけど……」  戸棚から小さな缶を持ち出して」 「やっぱり、あったわ。はい、お食べ」  と手のひらに乗せて、獣に差し出す。  獣は、目の前に差し出されたものをクンクンと嗅いでいたが、やがておいしそう に舐めはじめた。 「それは何ですか?」  獣が舐めている黒い塊を指差してたずねるコンラッド。 「近くの森に甘い樹液を出す木があって、それを煮詰めて固めたものです」 「人も食べられるのですか?」 「料理の隠し味に使う程度です」  獣は餌を舐め終わると、リリアに飛びつくように覆いかぶさるとクーンクーンと 鳴いて顔を舐めはじめた。 「あはは、やめて。姿は変わっても、あたしが誰か判るのね」 「動物の本能というか野生の感で、姿は変わってもリリアさんだと判るのでしょう」 「なるほどね。獣も馬鹿にはできないわね」  やがて獣は、振り返り振り返りしながら名残惜しそうに去っていった。 「変わった動物でしたね」 「そうね。目鼻耳と両手足が黒で、全体が白という一見熊のような動物でした」  と聞けばジャイアントパンダ【大熊猫】が想像できるであろうが、なぜこの世界 にいるかは謎である。 「さてと……。旅の支度をしなくちゃね」  リリアが家の中を探して旅に必要な小物を集めて、ポシェットのように腰にぶら 下げた。 「お待たせしました。それでは出発しましょうか」 「準備は整ったのね。じゃあ、行きましょう」 「まずはモトス村ですね」 「そうね。ギルドから請け負った仕事は果たさなくちゃね」  こうして魔導師ナタリーと騎士コンラッドに加えて、花売り娘のリリアの冒険が はじまったのである。

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